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「もったいない」って それ、誰のため?

過去の話をした。

どうやって乗り越えてきたか、どうやって立ち上がったか、どんな幼少期だったか、どんな風に福祉サービスを利用してきて、何を自分でしてきたか、どんなお仕事をしてきたか。

「大変でしたね 頑張ってきたんですね」と言ってもらって・・・
最後に言われたのは
「もったいないね〜」「そんなに経験してきて、こんなに色々出来るのに」
「これからは生かせたらいいね」という言葉。

今まで何回も何回も、そんなやり取りをしてきて、私はその度に少しずつ傷ついて。

でも分からなかった。

だって、それは私の可能性と価値を見てくれていて。
なのにどうして苦しいのか分からなかった。

でも、最近その話を聞いてもらっていた時、あっそうか…って話しながら分かった。どうして今まで分からなかったのだろう、自分の感情なのに。

やっと分かったこと。

「もったいない」って、そういう貴方は誰なの?
「これからは生かせたら」って、なに?

まるで、今の私は過去の経験を生かせずに生きているみたいじゃないか。
その経験を生かさないといけないみたいじゃないか。
好きで経験を積んできたみたいじゃないか。
貧困や虐待やヤングケアラーの経験を。
私が・・・
もう完全に回復したみたいじゃないか。傷が痛まないみたいに。

分かってる。
それは私のために言ってくれているのだろうってことも。
分かってる。
何気なく言ってくれているのだろうってことも。
分かってる。分かってる。分かってる。

私へ。そして、同じように辛いあなたへ。

・・・苦しかったね。
今も辛くて痛くて泣きたいよね。

頑張ってるの知ってるよ。
痛い言葉なのに「私のために言ってくれてるのだから」って耐えて、
「受け入れられない私が駄目なんだ」って自分を責めて。

もう いいんだよ、 だいじょうぶだよ。
分からなくなったら ここに来て。

優しい慰めの言葉は上手く言えないし、褒めるのも上手くない私だけど、
私の力を全部使って、その辛さを一緒に考えるよ。
言語化することで納得して、その辛さは”駄目なもの”じゃないこと、その言葉は”痛い”と思っていいことを、すとんと飲み込めるように。

耐えて耐えて渦に呑まれて息が出来ない そんな世界で生きているあなたが少しの間 深呼吸できるように。

Sena.


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