見出し画像

引退に遭遇する

朝、高校生次男がソワソワしている。「忘れ物ないかな…」と呟きながらウロウロして落ち着きがない。理由を聞くと"部活動の練習最後の日"らしい。明日は引退試合だと聞いてはいたが、そうかそれは今日が部活動の練習としては最後の日ということになるのか。長男の時もそうだが今まで引退の日を予告されたことがなく、こんなにもリアルタイムで「引退」に居合わせていることに高揚した。

「行ってきます」と二階のリビング(二世帯同居の為二階が我々の主な居住区)を出ようとする次男を走って追い抜き、両手を上げて半分欠けたアーチを作ってくぐらせ激励のお見送りをした。居合わせたからには何かしたかったのだ。次男が階段を降りると一階に住む義両親が「いってらっしゃい」といつものように声をかける。その日はことさら沿道からの応援のようだった。

翌日の引退試合では残念ながら負けてしまったが、本当に良い仲間と部活ができたことが嬉しいようでホクホクと帰ってきた。首からはマネージャーからもらったというメッセージカードらしきものがかけられたままだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?