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2回目のPlastic Free July-使い捨てのプラスチックゴミを減らそう-

たくさんの人に聞かれることがある。「どうしてそんなに環境問題に興味があるの?」「きっかけは何だったの?」と。

この質問をされるたびに、いつも答えに困ってしまう。それは、環境問題に取り組むことは当たり前だと思っているからだと思う。環境問題について考え、行動しなければ私たちは地球に住めなくなり人間が生きられなくなるからだ。私はこれからも生きていきたいからだ。環境問題は、地球に住んでいる私たちの死活問題なのだ。

私は海が近いエリアで生まれ育った。社会人になってからは奄美大島で働く機会があり、もっと自然が好きになった。

環境問題に本格的に取り組みたいと思いはじめたのは、やはり奄美大島に住んでいたときの経験が大きい。

奄美に住んでいるときは暇さえあれば海へ行き、シュノーケルをつけて、ウミガメや魚たち、カラフルなサンゴを見たりしていた。透き通った海の中にいる感覚は気持ちが良くて心から落ち着いて、空を飛んでいるようで、しあわせだった。

しかし、島のおばあに話を聞くと、「20年前の海はもっと綺麗だったんだよ」と寂しそうに話す。地球温暖化が急速に進んでいる今、海ももっと汚くなり、自然が失われてしまうのではないかという恐怖感がだんだんと芽生えた。そんなの、いやだ。私はまだまだ美しい自然と共に生きていきたいし、次世代にもこの素晴らしい自然を感じてほしい。ずっとずっと残したいと思ったのである。

そこから少しずつ、環境問題を自分ごととして捉えられるように意識し始めた。身の回りの製品をなるべく長く使えるものに変えていった。使い捨てのプラスチックゴミを減らし、食肉も控えるようになり、野菜中心の生活へ。レジ袋を使わないように、マイバックを小さく畳んでかばんに入れて持ち歩くようになった。洗剤を使わず、マグネシウムに。生理ナプキンから、月経カップに。無理なく、だんだんとライフスタイルを見直した。


ちょうど1年前、Plastic Free Julyにチャレンジした。
オーストラリア初の、「7月の1ヶ月間、身近なプラスチック製品の使用を控える」ムーブメントである。
チャレンジ中はプラスチック製品がどれだけ便利か、思い知らされた。ペットボトルは軽くて持ち運びが便利。ささっとゆすいでリサイクルできるし、ラップを使えば簡単に捨てられる。自分がレジ袋を生ゴミ用のゴミ袋として重宝していたことにも気づいた。飲食店では店内飲食でもプラスチック容器やプラスチックのフォークとスプーンで提供された。7月の暑い季節、外出先で冷たい飲み物が飲みたいと思ったら、必ずプラスチックストローがささっていた。「ストローいらないです」と言うのが遅かったこともしばしばあった。使い捨てプラスチックだけではなく、割り箸やペーパータオルなど一回きりの使用でゴミになってしまうものも、減らしたいと思うようになった。

去年のPlastic Free Julyから1年。この1年間はこのチャレンジをできるだけ継続してみた。


水筒を毎日洗うのは面倒くさいし、そもそも洗い物を増やすこともたくさんの水を使うので環境に悪いのでは?レジ袋を断ってマイバッグを使うと、マイバッグの素材によっては洗濯の際にマイクロプラスチックを増やすのでは?レジ袋をやめ、紙袋にチェンジしたスーパーだって、結局木を伐採してるのでは?
思考をぐるぐるさせた。その度にネットで調べ、どの行動が一番ベターなのか、エシカルなのか試行錯誤した。

奄美でも、島の自然を守りたいと活動している人が、見るからに燃費の悪そうな車を運転し、灰色の排気ガスをもわもわと排出させているのを見てモヤっとしたり、環境問題に取り組んでいると言っている人が、新しい服をよく買っていたり、日常的にお肉を食べている姿を見て、なんとも言えない気持ちになっていた。


友人たちとご飯を食べに行くと、肉を食べないので、焼肉屋やとんかつ屋へは行けない。1人だけマイ箸を取り出すことに躊躇うこともしょっちゅうだ。たまたま鞄にマイ箸がないときに、割り箸を使う店だと忘れた自分にガッカリしてしまうこともしばしば。自分が取り組んでいることを人に説明するのにも、勇気がいる。

毎回、しっかりと説明できるわけではない。伝えようと決心し、伝え方のシミュレーションをする。疲れているときや、あまりよく知らない人には伝えることを諦めてしまうときだってある。「めんどくさい人」「意識が高い人」と思われることを恐れたりもする。

自分自身も、完璧に環境に良いライフスタイルができるわけではない。車だって使うし、乳製品を食べることもある。しかし、環境を守りたいと公言している以上、一貫した言動をとりたいと思っている。

7月もそろそろ2週間が終わる。使い捨てのプラスチックを減らすことだけではなく、環境のために自分が何ができるか、これからも問い続けたいと思う。

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