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爪が伸びているよ(小説)

今日は親友と夕食に行ったのだが、その時に、爪が伸びているよと言われた。その店はおしゃフランス料理屋だったので、とても暗かった。目の前のカマンベールチーズをフォークで突くのに非常に苦労した程だ。それなのに、親友は私の爪が長いのを見抜き、爪が伸びているよと言ったのだ。私はまず、彼女の爪を見た。きちんと切られていた。というよりも深爪だった。それで私は、彼女は長い爪は嫌いなのだろうと決め込んだ。

 しかしそれにしては、私を見つめる彼女の目が純粋だったので、私は自分の考えを一度なかった事にした。よく見ると、彼女の手はカマンベールチーズを手に持っていた。そうか、爪が長いと、チーズが爪の隙間に入り込んでしまう。それで注意してくれたのだなと思った。私は、チーズをフォークで食べる派だったので、その心配は無用だが、その気遣いはありがたかった。だから私は感謝の念を彼女に述べた。

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