【小説】追いかけましょうかね
えっと、何で走ってるんでしたっけね。刑事さん。僕はこれでもそれなりに収入があるんです。いや、お金持ちって訳じゃありません。年収は平均以下ですよ。でも僕は3,000円の為にこんなに走りたくはないんです。
え、あんな人を野に放ったままでいいのか? まあ刑事さんはそう思うべきでしょうけれど、僕はそんな正義感の強い人間じゃないんです。ちょっとくらい良いじゃないですか。そりゃ毎日毎日、お金を盗られちゃ、僕も嫌になるでしょうけど、別に一回くらい許しますよ。それより僕には、走る方がよっ