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毎日読書#245 『あるキング』(伊坂幸太郎)
伊坂幸太郎の作品は、新刊を追いかけるほどではないけど、見慣れない作品が文庫化されているのを書店見かけたら買って読む。という位には好きだ。
何を読んでも面白いし、ハッと驚かされたり、構成の上手さに感心したりして、心地よい忙しさがある。心を揺さぶるような読書体験は得られないけど、心底嫌な気持ちになることもない。
本作、伊坂幸太郎的には新しい試みに挑戦した小説だと思うのだけど、ちゃんとまとまっていて伊坂幸太郎してる。その完成度たるやさすが職人芸だと感心をした。
感心はした。だが、楽しくはなかった。
もう、正直に言うと私にとっては「面白くない」小説だった。
なぜ面白くないのか。私には伊坂幸太郎作品に対する期待というものがあって、それから外れているから「面白くない」と感じてしまったのかもしれない。僕の色眼鏡には「伊坂幸太郎はこういう小説を書いてくれる作家」という色が入ってしまっているのかもしれない。
伊坂幸太郎を読んだことのない人が本作を読むと「へぇ、面白い小説だねぇ」と面白がれると思うのだけど。
解説を読むと、本作は何度か大きく手が入れられているということがわかる。雑誌で発表され、その作品が単行本として出版される際に大きく手が入った。そして、今回文庫化をするにあたり、また大きく手を入れたそう。
そうか、全部読んでみないと解らないかもな、とは思ったけど、そこまでするなら、他の作品を読むかな。
なんと、雑誌発表バージョン、単行本バージョン、文庫バージョンの全てを収めた完全版というものがある。ご興味のあるかたはぜひ。
「それって有意義だねぇ」と言われるような事につかいます。