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毎日読書#258 『劇画毛沢東伝』(藤子不二雄Ⓐ)

毛沢東といえば、真っ先に思い浮かぶのが、かつて中華人民共和国で行われた大躍進政策と文化大革命だ。

暴君と化した毛沢東によるこの政策で、想像を絶する規模で殺戮が行われ、想像を絶する人数(一説では6000万人とも言われる)が餓死した。犠牲者の正確な数字は未だに解らない。

ヒットラーやスターリンと並べ、世界三大大量殺戮者と称されたりもする。

こんなに怖い毛沢東だけど、世の中には毛沢東を神聖化している人も多い。

何故か。そ理由の一つは、暴君化する前の話、中華人民共和国を建国するまでの物語にある。伝えられている話が本当ならば、革命のヒーローだ。

本書は毛沢東が中華人民共和国の建国を成し遂げるまでの半生を、藤子不二雄Ⓐ(怖い絵を書く方)が劇画調の漫画にまとめた力作だ。

とにかく、絵の調子と内容のマッチ加減が素晴らしいんですよ。毛沢東の迫力と気迫がビシビシ伝わってくる。

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キリッ!

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カッ!

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中華人民共和国今天成起立了!!

毛沢東の少年時代から長征完了までを描くので、様々な歴史上の人物がこれでもかとⒶタッチで登場します。

とにかく墨の量が凄い。

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蒋介石が!

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反共クーデター!!

本書は、長征を成し遂げたところで終わります。

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ここで終わっていれば毛沢東もヒーローだったでしょう。

この漫画が描かれたのは1971年。そう、まさに文化大革命の真っ最中。その惨状は日本には伝わっていませんでした。

Kindleで安く読めるので、自宅にこもりながらの読書にどうぞ。藤子不二雄Ⓐがこんなものを描いていたのか! という驚きがあります。

とにかくⒶ濃度が濃いので、パンチの強さにしびれますよ。

私が所有しているのはこちらのほう。絶版なので、ちょっと高いです。


Kindleはこちら。グッとお安い。電子書籍でも抵抗のない方はこちらが断然良いでしょう。さらに、試し読みが出来るので、読んでしびれたら買ってみましょう。

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