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じんわり染み出すリビドー 『四畳半王国見聞』

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。355冊目。

このタイトルの帯の女性は本上まなみのなのだろうか?

同じ読書人として本上まなみリスペクトな私としては、もうちょっと似せてほしいなと思ったり。

さて本作、森見登美彦作品では「京大生もの」とカテゴリーされる。

京都を舞台にアホな大学生たちがリビドーに駆られ阿呆な事をし続けるおなじみの流れ。半端に頭が良いばかりに真っ直ぐな道を歩めず、とりあえず回れ右をしてしまうお話。

森見作品は『夜は短し歩けよ乙女』から入ったのだけど、とても気に入っている。でも、本作は正直あまり楽しめなかった。

あ、これはちょっと最後まで読めないかなぁ? なんて思って、本を置きかけた。結局は、黄色地に紫色の水玉模様のブリーフを履いた男性が出てきたあたりから少し面白くなったので、その勢いで最後まで読んだのだけど。

7編の短編集。ゆるやかな連作。ただ、各短編それぞれにパリッとしたオチが付いていない。全体としてもあまり盛り上げてこない。

それぞれの話はちゃんと面白いのだけど、どれも、ちょっとづつ物足りない。夜は短しのように、グワーッと、強烈な潮力に引っ張られるような盛り上がりを、勝手に期待していたのだなと読了後に気がつく。

過分な期待を込めていなければ楽しめたのかな。反省。


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