鬼滅の刃を煎じて詰めた過狩り狩り 『吾峠呼世晴短編集』(吾峠呼世晴)
ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。441冊目。
今日のニュースでは、映画『鬼滅の刃』が猛烈な勢いで興行成績を伸ばしている話題でもちきりでした。コロナの影響をもろにかぶり、非常に景気の悪い業界なので、久しぶりの明るいニュース。
コミックでは7巻〜8巻あたりの話ですね
ここはね、もうね、あれがこうなってもうアレなので、アレが映像化されちゃったらそりゃ子どもから大人まで映画館で号泣しちゃっているという噂にも頷けます。
そのうち娘連れて見に行こうかな。でも、子供の横で号泣するのやだなぁ。
さて、本の紹介です。本書、そんな社会現象までおこしちゃってるモンスターコンテンツ『鬼滅の刃』の作者である吾峠呼世晴(ごとうげ こよはる)による短編マンガ集です。
4篇の短編が収められているのだけど、断然注目なのは『過狩り狩り』という『鬼滅の刃』の前身となった作品。
これがとても興味深い内容なので、原作が気に入ったかたは是非とも手にしてもらいたいのですよ。
どんな話か、この作品は『鬼滅の刃』から気持ちの良い兄ちゃんとお姉ちゃんを取り去り、それらを見守る優しい大人たちも丁寧に取り去り、さらにギャグ要素とキャラクターの成長物語を抜き去ったような話です。
もう、それって鬼滅の魅力全部取り上げちゃってるじゃん、という感じなんだけど、それがですね、残っているものがあるのですよ、しかも格別に味わい深いドロドロの鬼滅エキスの塊みたいな話がです。それが『過狩り狩り』なんですよ。
ざっくりとした内容を紹介すると、珠世さん(本人)と愈史郎(本人)、それに鬼舞辻無惨(試作)が外国から来た鬼と対峙する場面に冨岡義勇(プロトタイプ)が現れる。と言った感じ。
表紙は不気味だし、お笑いの要素も、爽やかな成長も、家族愛も、友情も勇気も無い、まったく少年漫画じゃない。
でも、なんとも言えない魅力があるのは何故なのだろう。鬼滅の刃の前身であるというバイアスがあるとはいえ。
元々は、作者の吾峠呼世晴が「JUMPトレジャー新人漫画賞」に投稿し佳作を取った作品で、家族の勧めがなければ捨てていたという作品だったそう。どなたか存じ上げませんが、家族のかたグッジョブ。そして、あきらかに少年要素のないこの漫画を「少年ジャンプ」で佳作にした方グッジョブ。
いまなら『過狩り狩り』は下記公式で無料で読むことが出来るので、いまのうちにどうぞ!
他の作品もなかなかなので、気になる方は是非単行本も。
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