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心地の良い読書体験 『火山のふもとで』(松家仁之)

ほぼ毎日読書をし、ほぼ毎日「読書ログ」を書いています。444冊目。

うっかり、昨日のnote更新を飛ばしてしまった。結構骨の折れる本を読んでいて、その本の感想だったのだけど、読み返してみたら一所懸命書いた割に良くない内容だったので、結果オーライということで。そのうち、ライトな感じで書き直して公開しときます。

さて、今日は良い小説を読みました、松家仁之さんの『火山のふもとで』という作品。本作が著者のデビュー作。

デビュー、イコール、若い人。という勝手なバイアスもあり、よしどれどれ的な勢いで読み始めるのだけど、実際に読み始めると、あまりに心地の良い文章に驚いてしまった。

ベテラン指物師が作る隙のない木工細工のような小説。手触りがよくて優しいのだけど、危うさなど感じさせない安心感。よくよくみたら一分の隙もない完全な作り。

カバーの著者紹介を見たら、しばらく編集の仕事をされたあとに本作を54歳で世に出した方だと知る。いやそれにしたって。

文に余計な装飾はなく淡々としているのだけど、必要十分に情景が脳に染み入ってくる。山の麓の村にある別荘地が眼前にひろがり、そこに動く人々の様子が伝わってくる。心地よいなぁ。

帯にも書いてあるし、多分、色々な方が同じことを書いていると思うのだけど、まさに「いつまでも浸っていたい」小説。いいよ。おすすめです。

Facebookでちびた鉛筆の話をしているときにオススメされた本です。

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