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【注目ニュース】ディスコ、大口径ダイヤモンドウェーハ製造を実現するKABRA®プロセスを開発

発表日:2024年5月15日

みなさんこんにちは。【注目ニュース】では、最近発表された半導体関連のニュースの中から、専門家が厳選してお届けします。通勤・通学時間、始業前などにぜひチェックしてみてください。

概要

ダイヤモンドウェハー

株式会社ディスコは、レーザを使用したインゴットスライス技術「KABRA」を応用し、ダイヤモンドウェーハの製造プロセスを開発しました。このプロセスはダイヤモンドウェーハの大口径化に寄与します。

ダイヤモンドはシリコン、炭化ケイ素、窒化ガリウムに比べ、絶縁耐圧や熱伝導性に優れているため「究極の半導体材料」と呼ばれ、パワー半導体向け材料として期待されています

しかし、その硬質材料のため、機械的な加工が困難とされてきました。従来のレーザスライス方式では、インゴット側面から加工を行うため、インゴット径に制約があり、大口径化が困難でした。

KABRA方式はインゴット上面からレーザ照射を行うため、インゴット径に制約がなく、大口径化に対応できます。具体的には、Φ50mmを超える大型インゴットにも対応でき、インゴット上面から浅くレーザを照射することで、100µm以下の薄片の切り出しが可能です。

このため、従来方式と比較して、より多くのウェーハを切り出すことが期待されます。また、KABRA方式では切り出し速度も従来方式同等以上であり、低コストを実現します。

さらに、この技術に関する関連特許は45件登録済みです。

(左)既存レーザによるスライス方式、(右)ダイヤモンド向けKABRA

解説

一般的に、ウェハーはチョクラルスキー法によって円筒型のバルクの状態(インゴット)からスライスして作られます。

スライスする際に、従来法ではインゴット側面からレーザーを照射することで輪切りにしていきます。しかし、この方法だとウェハー径が大きくなるとレーザーの入口から出口までの距離が遠くなります。

普通のシリコンウェハーであれば問題ないのですが、ダイヤモンドは世界で最も硬いとされており、径の大きさの影響が顕著になります。

今回、DISCOが開発した手法によって、インゴット上面からスライスできると、径に依存せずダイヤモンドであっても対応可能というのはブレイクスルーですね。

ダイヤモンド材料は、パワー半導体において大きなポテンシャルを秘めているので、今後の開発に期待したいところです。


参考文献


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