半導体後工程の割安銘柄!~後工程自動化技術連合(SATAS)加盟企業をPER、PBR、PSRから見る~
はじめに
半導体関連に投資を考えているという方も多いと思いますが、多くの方はこんな疑問を持つのではないでしょうか?
半導体関連銘柄は割高すぎる、割安の銘柄はどれなの?
そんな皆さんに、今回は半導体後工程に関連する企業の中で割安の銘柄をいくつかピックアップしました。特に今回は、最近設立されたばかりのSATASという技術連合に加盟している企業群を対象に評価を行いました。
SATASに関しては、こちらの記事でまとめているので、良ければ読んでみて下さい。
PER、PBR、PSRの定義
割安の評価指標として、今回は3つの指標を使用しました。それが、PER、PBR、PSRです。ここでは、簡単にそれぞれの単語の定義について確認しておきます。
PER(Price Earnings Ratio)
株価収益率と表されます。 株価がEPS(1株当たり純利益)の何倍の価値になっているかを示すものです。 現在の株価が、その企業の利益と比べて、割高か割安かを判断するのに使われます。PERは、株価÷EPSの計算式で求められます。PERが低いほど、割安であると言えます。
一般的には、PERは15倍程度が平均であるとみなされていますが、EPSが増加傾向にあるような成長企業だと、30倍など平均より大きくなる場合があります。したがって、その企業の過去のPERと比較することも重要です。
PBR(Price Book-value Ratio)
株価純資産倍率のことです。PERと同じく、株価が割安か割高かを判断するための指標ですが、PBRは純資産から見た「株価の割安性」を示します。株価が直前の本決算期末の「1株当たり純資産」の何倍になっているかを示す指標です。
一般的には、PBRは1.0倍程度が平均であるとみなされていますが、PERと同様にその企業の過去のPBRと比較することも重要です。
PSR(Price Sales Ratio)
株価売上倍率と訳されます。時価総額を年間売上で割って、算出します。新興企業同士の株価水準を判断する場合に使用すること等があり、PSRが低いほど、株価が割安と判断することができます。
PSRを分析する際の注意点は、以下の3点です。
必ず同業種で比較する
企業の成長性に注目する
業界全体の将来性に注目する
PSRの分母には売上高が利用されるため、「利益率は低いが売上高が高い業種」と「利益率は高いが売上高が低い業種」を比較しても意味がありません。かならず、同業種の中で比較を行う必要があります。
2023年の業界別のPSR中央値をグラフにまとめたのが、以下です。
全業種を含んだ中央値は0.7倍、半導体分野を精密機器に分類したとするなら、1.0倍です。
ここでは、以下の基準で、割安、適正、割高を判断します。おおよそ、平均値±20%というラインを適正と判断しています。PSRに関しては、0.5倍以下にて割安、20倍以上で割高と書かれている記事をよく見ますので、そちらに準拠しました。
PER
割安:~12.0
適正:12.1~18.0
割高:18.1~PBR
割安:~0.80
適正:0.81~1.20
割高:1.21~PSR
割安:~0.5
適正:0.51~20.0
割高:~20.1
上記3つの指標において、割安を2点、適正を1点、割高を0点として、各企業の点数を算出します。
SATAS加盟企業
1. インテル株式会社
株価:30.74ドル
PER:76.9倍 割高(0)
PBR:1.18倍 適正(1)
PSR:2.34倍 割高(0)
合計得点:1点
2. オムロン株式会社
株価:5,207.0円
PER:125.45倍 割高(0)
PBR:1.35倍 割高(0)
PSR:1.30倍 適正(1)
合計得点:1点
3. シャープ株式会社
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