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アニオン、カチオンとは?

私たちの身の回りには、様々な物質が存在しています。それらの物質は、原子や分子から構成されています。

原子や分子は、中性の状態では正と負の電荷が均等に存在していますが、ある条件下で正または負の電荷を帯びることがあります。このように電荷を帯びた粒子のことを、イオンと呼びます。

アニオンとは?

アニオンとは、負の電荷を帯びた粒子のことを指します。原子や分子が電子を獲得すると、負に帯電したアニオンになります。代表的なアニオンには以下のようなものがあります。

  • 塩化物イオン(Cl⁻)

  • 水酸化物イオン(OH⁻)

  • 硫酸イオン(SO₄²⁻)

  • リン酸イオン(PO₄³⁻)

アニオンは、金属と結合して塩を形成したり、酸性溶液中に存在したりします。また、生物体内でも重要な役割を果たしています。例えば、DNAの骨格を形成するリン酸イオンなどがあげられます。

中性粒子からアニオン/カチオンの生成

アニオンの性質と役割

アニオンは負に帯電しているため、陽イオン(カチオン)を引き付ける性質があります。この性質を利用して、金属イオンを捕捉したり、化合物を形成したりすることができます。

また、アニオンによっては酸化還元反応に関与するものもあります。硫酸イオンや硝酸イオンなどは、強い酸化剤として知られています。一方、ヨウ化物イオンやチオ硫酸イオンは還元剤として働きます。

ちなみに、酸化反応は電子を失う反応のことを指します。例えば、鉄が酸素と反応して酸化鉄(さび)になる反応は、鉄が電子を失う酸化反応です。還元反応は、電子を受け取る反応のことを指します。例えば、酸化鉄を炭素で加熱して鉄に戻す反応は、酸化鉄が電子を受け取る還元反応です。

酸化と還元の概念図

カチオンとは?

一方、正の電荷を帯びた粒子をカチオンと呼びます。原子や分子が電子を失うと、正に帯電したカチオンになります。代表的なカチオンには以下のようなものがあります。

  • ナトリウムイオン(Na⁺)

  • カリウムイオン(K⁺)

  • カルシウムイオン(Ca²⁺)

  • アンモニウムイオン(NH₄⁺)

カチオンは、非金属と結合して塩を形成したり、塩基性溶液中に存在したりします。生物体内でも、神経伝達や筋肉の収縮、酵素の働きなどに関与しています。

カチオンの性質と役割

カチオンは正に帯電しているため、アニオンを引き付ける性質があります。この性質を利用して、様々な化合物を合成することができます。特に、金属イオンは反応性が高く、他の物質と容易に結合します。この性質は、金属の製造や化学反応の触媒として利用されています。また、生体内では必須の微量元素として機能しています。

イオン結合と電解質

アニオンとカチオンは、静電気的な引力によって結合し、イオン結晶を形成します。この結合をイオン結合と呼びます。

代表的なイオン結晶には、食塩(NaCl)や石灰石(CaCO₃)などがあります。イオン結晶は一般に固体状態で存在し、高い融点と沸点を持っています。

NaCl(塩)のイオン結晶

一方、水に溶けるとイオンに解離する物質を電解質と呼びます。電解質溶液中では、アニオンとカチオンが自由に動き回ることができるため、電流が流れる性質があります。身近な電解質には、食塩水や酢酸などがあげられます。電解質は、生体内の浸透圧調節や神経伝達、電池の原理などに深く関わっています。

電解質は水に溶けるとイオンに解離

【まとめ】

  • アニオンは負の電荷を帯びた粒子

  • カチオンは正の電荷を帯びた粒子

  • アニオンとカチオンはイオン結合を形成

  • 電解質は水に溶けるとイオンに解離する

アニオンとカチオンは、物質の性質を決める重要な要素です。化学の分野はもちろん、生物や医療、工業などの様々な分野で、アニオンとカチオンの働きが活躍しています。

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参考文献

https://lab-brains.as-1.co.jp/enjoy-learn/2023/05/46714/



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