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【注目ニュース】東芝、川崎市幸区の小向事業所内に研究開発新棟「イノベーション・パレット」開所

発表日:2024年02月26日

みなさんこんにちは。【注目ニュース】では、最近発表された半導体関連のニュースの中から、専門家が厳選してお届けします。通勤・通学時間、始業前などにぜひチェックしてみてください。

概要

東芝は、新たな研究開発拠点「イノベーション・パレット」を川崎市の小向事業所内に開設しました。

新棟は約340億円を投じて2023年11月に竣工し、コーポレートの研究開発機能と東芝デバイス&ストレージ株式会社の半導体事業部および研究開発部門を集約しています。本年1月から業務を開始しています。

研究開発センターは、1961年に設立された中央研究所を前身とし、日本語ワードプロセッサやNAND型フラッシュメモリなど、多くの革新的技術を生み出してきました。

現在では「カーボンニュートラル・サーキュラーエコノミーの実現」「誰もが享受できるインフラの構築」「繋がるデータ社会の構築」を目指し、地球規模の課題解決に取り組んでいます。

これを実現するために、2023年9月にはドイツに「リジェネラティブ・イノベーションセンター」を開設するなど、技術開発の体制を強化しています。

今回開所した新棟は、当社グループの技術の最重要拠点として位置付けられています。新棟は「Activity-Based Working(ABW)」「共創空間」「ライブ実験場」という3つの特長を備え、イノベーションを加速させます。また、研究者やスタッフ、お客様やパートナーが集まり、多様な個性を融合させて共に未来を描く場として、「イノベーション・パレット」と名付けられました。

東芝は、多様な専門性を持つ人材が社内外で対話し、新しい技術と価値を創出し、それを早期に社会に実装することを目指しています

東芝の新研究開発棟イノベーション・パレット(引用元

解説

東芝は半導体メモリである、NANDフラッシュメモリを生み出した企業として世界的に認められています。

東芝だけではなく日本の主要半導体企業でDRAM全盛だった最中の1980年代に、東芝の舛岡富士夫社員が発明しました。しかし、東芝は舛岡氏の業績を適切に評価しなかったために、東北大の教授になっています。

東芝のメモリ事業はうまくいっていましたが、原子力事業に失敗して大赤字をたたき出し、メモリ事業を東芝メモリ(現キオクシア)に移管して、2018年に米Bain Capitalなどが組む「日米韓企業連合」に約2兆3億円で売却しました。

またPC部門に関しても、Dynabook株式会社として分離して、2020年にシャープの完全子会社になっています。詳細は参考文献等に書かれていますので、興味ある方は読んでみてください。

東芝半導体と聞くと悲観的な昔話や公家的な企業色が出てきてしまいますが、経営陣は東芝再興計画を打ち出し変革に乗り出しています。

・非上場化は、東芝の構造的課題を根本的に解決し、「本来東芝があるべき姿」に立ち戻るためのチャンス

・東芝のあるべき姿は、世の中の変化や社会課題に技術の力で応えること。 「人と、地球の、明日のために。」という 経営理念の下、多くの企業が直面する社会課題に対して、GX*やDXで社会に貢献していく会社を目指す 

・この実現には、稼ぐ力を強化し、人・事業・技術開発へ十分なリソースを投下することが必要。 FY26のROS10%達成を重要なマイルストーン(通過点)とし、全社の収益性を底上げしていく 

・新中計の基本思想である、経営インフラの整備、筋肉質化による損益分岐点の引き下げ、その先の成長戦略 投資に取り組み、目標を達成することで、従業員にとって「働きがい」のある会社へと生まれ変わる改革としたい

・経営陣は、中計達成に向け、価値創造の主役である現場とともに全力で取り組み、従業員と一体となって、東芝 の未来を作る新しい改革に取り組んでいきたい

東芝再興計画について(2024.05.16)

FY2026に向けて、筋肉質化と中長期的な成長への仕込みに取り組むということなので、今回のイノベーションパレットがその役目を果たせることを期待したいと思います。

東芝再興計画について(2024.05.16)

参考文献

https://www.global.toshiba/content/dam/toshiba/jp/ir/corporate/finance/pdf/tpr20240516.pdf

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