見出し画像

M&Aによる苦味薬

出版社において、新刊書籍発行前に販売促進活動を行います。
一般的に発売してからの売上初速が高くないと、販売数の伸び悩みが予想されます。
そこで、売上初速を高めるために出版社では販売促進会議、営業会議など行われ、いつ、だれが、どのような販売促進活動を行うか、検討、実施されています。

一昔前までは書店へ新刊が多く配本されれば、自然に売れ、書籍の販売促進活動はあまり重視されていませんでした。
その後、書籍の売上が年々鈍化していき、その頃から販売促進活動に力を入れるようになってきた出版社も多いかと思われます。

過去勤務していた出版社は一般的な企業に比べ、出版社の本づくり、販売の方法、考え方に関して、経済的な感覚が大きく離れていた感じがします。
販売促進といってもルーチンで行っている作業を繰り返しているだけで、行動の時期は気分的、その効果まで検証する機会もありませんでした。

企業でありながら、普通に行えていない状況に気付いていない、いや、気付いていても行動できない状況が続いていて、私自身も同様でした。

しかし、その考えを改める機会がありました。
それは「M&A」でした。
M&Aによって大企業の方法が流入し、体制は大きく変化しました。
それまでと全く異なる方法、考え方に当時は混乱しましたが、振り返ると、ごく普通の考え方です。

その中で特徴的だったのは
・ひとつひとつの行動の意味を知ること
・それらの行動に対して、効果の予想と検証を繰り返すこと
・短期間の締め切りを設け、速やかに実行すること

その後、退職し、出版活動の場、状況は変化しました。
現在の"ひとり出版社"においては、限られた労働力をどう効果的に配分していくのか、M&Aによる苦味薬が今になり、効いてきているような気がします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?