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訪問医療マッサージ集客の極意ー人材が定着しない組織あるある

人材が定着しない組織とは

当社の事業の柱は営業・人材・組織強化のコンサルティングとなります。人材支援に関しての相談は最近とても多くなっています。依頼内容は共通していて「人材の確保」です。入口は人材確保なのですが、突き詰めていくと組織内部の問題に突きあたります。

人の確保が必要な場合は、三つあります。一つ目は新規事業をスタートさせるために必要な人材の補強と確保です。人材を確保する理由としては、ポジティブなものです。新しいことを始めるために、役割を担う人材が必要なのは当然のことです。二つ目は事業拡大に伴う人材確保です。事業の規模、売り上げ、内容が拡大するに伴って人材確保が必要なのは、これもポジティブな理由です。三つ目、これが問題のある人材確保の理由「人材の流出」による人材補充です。この場合は人材流出の原因を探る必要がありますが、その多くは経営者や上司に問題があります。人が辞めていく組織や経営者に共通することは、辞めていく理由が自社にあるというのを認めずに、辞めていく社員の責任として処理してしまう傾向があるということです。

私も30歳で7社経験していますが、退職するときにその理由を正直にいう人は、ほとんどいません。本当の退職理由をいってしまうことで、給与やボーナスが未払いになったり、退職までの数週間を気まずい空気で過ごすことになったりしたくないのは当然です。特に中小零細企業の経営者は、「人が辞めるのは仕方ないこと」と一蹴する人が多いですが、退職者の責任であると明言していいのは、人材定着のために全力を尽くした組織と経営者だけです。
 社員は勝手に育つ、社員はいうことを聞いていればよい、給与を支払っているのはこっちなんだなどと傲慢な態度や考えを持っている経営者は、人を雇う資格がないのです。組織とは人なのです。役割がある人が集まった結果、組織になります。人が辞める理由の9割はコミュニケーションエラーです。もちろん、生活費が賄えないほどの低い賃金に不満が募り退職することもありますが、基本的に人は変化を嫌う生き物であり怠けものなので、居心地がよければ居続けます。人が集まれば、そこには「他人との比較」が生まれます。すべての問題は他人との比較から発生するのであり、世界で自分がただ一人であることを想像すれば、これまで経験したトラブルが起こりえないことは、容易に想像できるでしょう。
 人材が流出してしまう企業は人間のコミュニケーションを安易に考え、面倒くさいと今の人材に対してのメンタルケアやマインドケアを怠っているのです。組織が人で成り立っていることを考えれば、根本的にはコミュニケーションが必須であるのは理解できるはずです。人が辞めていく責任は、大切な人材のメンタルケアやマインドケアを怠った経営者にあるのです。

私がこれまで支援してきた会社の人材流出は、社員に対する職務(役割)を明確にしていないのも原因の一つだったと考えています。そもそも採用の段階から「〇〇の役割を担ってもらう必要があるので採用しよう」などという言語化ができておらず、とりあえず雇ってから役割を決めるパターンが多いのです。人材流出の主な原因は、入社前と入社後のギャップにあることがわかっています。ギャップとなる対象は、給与、休日、人間関係、仕事内容、社内雰囲気、研修内容、朝礼、身だしなみ等、たくさんあります。これらを面接の段階から伝えていくことが、実は社員教育なのです。

時代の変化、新規事業の取組みによって、これらの内容を変える必要があると思いますが、そのときはしっかりと条件提示を行い、双方の合意を得る必要があるのです。合意に至らない場合はどうすればよいのしょうか。合意に至るよう働きかける「プレゼンスキル」を磨けばよいのでしょうか。スキルを磨くというより、これまで築いてきた信頼関係がものをいうと考えてください。

人の仕事の働き方には三つあるといわれています。一つ目はライス(rice)ワークです。食べるために仕事をするということですね。二つ目はライフ(life)ワークです。プライベートと仕事を両立する働き方です。三つ目がライク(like)ワークです。好きなことを仕事にしているパターンです。戦後はそれこそ食料難のために、食べるために働くのがあたり前でした。また数年前までは、プライベートと仕事を両立させることが主流になっていたと思います。ただし、近年この二つを超えて「好きなことを仕事にしたい!」という考えが主流になっている気がするのです。ライスワークの「生活のために働く」ということは、時として嫌々働いていたり、仕事と割り切って働いていたりします。こういう働き方は今のご時世に合っていないと私は考えています。 
 年配の経営者は、バブル時代の経験が忘れられず未だに「お金」中心に考えている方も多いようです。給料や待遇を上げれば人がついてくると誤解している経営者はたくさんいます。私のクライアントにも多いです。給料や待遇で釣ってきた人材というのは、他により良い条件の会社があれば転職してしまう人材なのです。

私は、将来、即戦力となる人材と一から育て上げる人材のバランスを重視しており、その比率は企業の経営状況や未来予想図で変化すべきだと考えています。人材が定着しないと悩む前に、原因はすべて経営者である自身の考え方をアップデートする必要があると自分の自身と対話してみてほしいと思うのです。

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