見出し画像

「孤独という伝染病 」〜男女で違う孤独感について〜



孤独、それは現代に蔓延る病。まさに伝染病だ。

強い孤独感を慢性的に感じている人は、毎日15本のタバコを吸っているのと同じくらいのダメージを被ることがわかっている。しかもこのダメージはタバコのような直接的で分かりやすいものではない。
このダメージは複雑で、目に見えないものである。
しかも多くの部分にその悪影響は広がってしまう。

そしてこの孤独感には、性差によって感じ方やタイミングが違うことがわかっている(あくまでその傾向があるということ)。


⭕️男性の孤独感



男性は、そもそも感情を見せたり表現することを避け、その行動自体に恥の感情や失敗の意識を持ってしまう。この要因は、ステレオタイプ的な「男らしくあれ!」という社会的圧力や偏見が助長していることがわかっている。そのため、男性の抱える孤独感は本当に目に見えない。さらに、他人も本人もその孤独を問題と認めていないことが多い(男性は特に自分の孤独感で苦しんでいることを認めない傾向がある。無意識下ではダメージが出ているのに)。

実際、WHOが発表した自殺者の約6割以上が男性である。「男らしくあれ!」という文化が強い国ほど、男性の自殺率が高い(高い所だと女性の自殺率の4倍にもなる)。

うつ病と診断されるのは女性の方が多いにも関わらず。

⭕️女性の場合

女性の孤独感は、自分の感情を薄めてしまう結果、心の繋がりを感じられないための孤独感が問題視されている。

女性は生来、自分たちの感情を共有し合う習慣があり、物理的な接触(ハグや手を繋ぐなど)が多いため、物理的な人間関係が希薄になることは男性に比べて圧倒的に少ない。しかし、それゆえに女性は人間関係の破綻やその輪からはみ出る恐れから、自分の感情を薄めたり、協調や同調を優先しがちになる。

⭕️まとめ

男性は、物理的に孤独感を感じる場合が多い(そもそも誰かと繋がろうとしないし、その必要性を自他共に重要と思っていない)。その結果、無意識下では感じている孤独感や精神的疲労感が強まり、その感情や感覚を抑えつけようとする。これは心身に非常に悪い影響を及ぼす。

女性は、物理的な人間関係はあるが、感情的・精神的な繋がりが薄いパターンが多い。
(というかそもそもの性質上、感情的な繋がりを求める欲求が強い為、欠乏感に繋がりやすいい)
女性はより自責傾向や他者との比較をする傾向が強く、その結果精神的に疲弊しやすく、人間関係をより深めるためのアクションに臆病になりがち。女性が抑うつ感情を感じたり、うつ病になりやすいのは、この他者比較や自責行為を繰り返してしまうからとも言われている。

⭕️孤独のダメージを防ぐためにはどうすればいいいのか?

⭐️男性の場合

1. 「男らしくあれ!」「自信を持て!」という考えの悪影響を知る。
- 自分への思いやり(セルフコンパッション)を意識して、自分と接してみること。

2. 物理的な関わりを積極的に取り入れる。
- 肩を組む、ハイタッチなどを試してみる。

3. 自分の弱い部分やありのままの感情(特にネガティブな感情)を表現する。
- 自分から弱い部分やネガティブな部分、過去の失敗などを話した人は、むしろ「この人は強くて賢い人だ!」という印象を持たれる傾向が圧倒的に高い。

⭐️女性の場合

1. 他者比較と自責的行動に気づくこと。
- まずは自分がどのくらい他人と比較しているか、自分を責めがちなのかを知ること。そしてその度に、自分に対して暖かい言葉(最愛の存在にかける言葉)をかけてあげること。

2. 他人と繋がるよりも、まずは自分自身と繋がる。
- 自分自身との対話を通して、自分が何が好きで、何が嫌いか、どんな人間関係を築きたくて、逆にどんな人間関係が嫌なのかを書き出す。自分が求める人間関係の条件やニーズを理解しておくと、関わるべき人とそうでない人が明確にわかる。
- 自分のニーズを理解した上で、自分はどんな価値や影響を与えられるか、どんな価値や影響を与えたいかまで考えると、より互恵的な良い人間関係が築きやすくなる。

3. アサーティブなコミュニケーション(アサーション)をする。
- アサーションとは、相手を無闇に傷つけずに自分の言いたいことを伝える方法。
- アサーションのメリット:
- 相手との関係が良くなる(言いたいことがちゃんと言えるから)。
- 自分のメンタルが良くなり、自分の実際の能力が向上する。
- 自尊心が高まり、自己効力感(自分の能力への信頼感)が高まる。

アサーティブなコミュニケーションは先天的なものではなく、学び鍛えていくものと考える。以上を意識しながら、アサーションに取り組んでみよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?