ドリブルの概念③ ~角度を攻略 2~
前回の続きです。
前回はドリブルの角度について
・ドリブルの角度とは?
・0度の位置にはDFが存在する
という二つの要素について解説しました。
ここからは更に
・角度の優先順位はボール?体?
・角度を決定するための条件
という要素でさらに深堀りしていきます。
~角度の優先順位はボール?体?~
ドリブルの角度については前回の記事で2種類あることを述べました。
①自分の体の進む角度
②自分の保持しているボールの進む角度
この二つです。
では、この二つの角度はどちらを優先してドリブルすればいいのか?
・
・
・
結論から言うと、
①ボール→②体
の順番になります。
なぜこのような優先順位になるのか?
それは、ドリブルの基本的な性質からみるとわかりやすいのですが、
”ドリブルの主体はボールである”
ということが関係してきます。
ボールがあるから、ボールと連動して自分の体を上手くコントロールする必要性がでてきて、ドリブルとして成立します。
つまり、
”ボールの動きに対して体の動きを合わせていく必要がある”
ということです。
これに角度という視点を取り入れていくと、
”ボールの進んでいる角度に、体の角度が引き寄せられる形で収束する”
という動きになります。
だから、角度の優先すべき順位は
①ボール→②体
という風になります。
~角度を決定するための条件~
角度については最後の要素です。
前回の記事からドリブルの角度について解説してきましたが、
そもそも
”どういった条件が備わっていれば角度を決めることができるのか”
ということがわからなければ、ドリブルでDFを抜いたり、有利な状況を作り出すことはできません。
では、角度を決めるためにはどういった条件があるのか。
答えは非常にシンプルです。
”ボールを奪われない状況を作り出す”
これだけです。
もう少し詳しく説明すると、
ボールだけが0度のスペースに進んでも、
体だけが0度のスペースに進んでも、
最終的にDFにボールを奪われてしまってはなにもできないので、
常にボールを奪われない状況を作り出すということが必要であるということです。
DFを抜ける状況にまでもっていければベストですが、
最低でもボールを奪われなければドリブルの角度を作り出すことはできるので、それだけでも大丈夫です。
そして、ボールを奪われない、DFを抜く技術というのは、
過去の記事で解説してきたドリブルの6つの要素のうち
・重心
・速度
・プレーエリア
・距離
最低でもこの4つを理解することで、ある程度身に付けることができます。
これに角度の要素を足すことで、より実践に活かせる技術へと変貌を遂げることができるようになります。
~まとめ~
ここまでが、ドリブルの角度を利用してDFを抜くというプロセスです。
まとめると、
1.ドリブルの角度とは、進みたいスペースに対するボールと体の進む角度
2.0度の位置にはDFが存在する
3.角度の優先順位は①ボール②体
4.角度を決定するために、ボールを奪われない状況を作る
この4つです。
この4つを理解した上で、
0度の角度に侵入するためにはどうすればいいかということを考えていきます。
イメージが掴みにくい方もいると思うので、
角度を意識したプレー中の思考の流れを一例として挙げておきます。
~角度を意識したプレー中の思考の例~
0度に侵入するためには
一度DFを0度の位置から引きはがすことが必要
↓
0度の位置からドリブルを左に5度程度ずらし、
DFの重心と立ち位置を変えよう
↓
・DFが狙い通り動いた場合
⇒侵入できるスペースができたので、
シンプルに侵入する
・DFが狙い通り動かなかった場合
⇒一度体勢を立て直す
or
⇒自分が動いたことで、よりチャンスになるスペースがうまれたので、
0度の位置を変更し、
DFに対応される前に侵入を試みる
これが角度を意識したドリブル時の思考の一連の流れの例です。
試合であれば、パスやシュートなどの膨大な選択肢の中からプレーを決断していきます。
上手い選手というのは、こういった複雑な思考を無意識かつ自由自在にプレーで表現できます。
意識や無意識についての記事は後々書いていく予定ですが、
正しい意識を無意識にプレーで表現できるようになることが非常に大事な要素なので覚えておいてください。
次回は、ドリブルの概念の最後の要素
”時間”
について解説していきます。
補足
このnoteでは主に
”感覚 → 言語”
の変換を目的として書いていきますので、
言葉に直すと、イメージが正しく伝わっている方と伝わっていない方が少なからずいると思います。
いずれはnoteで書いていることを
”言語 → 感覚”
に変換し、より伝わりやすくするために動画や画像などで解説していけたらと思っています。
”感覚 → 言語”
”言語 → 感覚”
成長するためにはこの二つのループが大切なので、
このノートを読んで自分の感覚を少しでも言語化できるように理解を深めていただけると嬉しいです。
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