心の闇の除菌ジェル〜ツール編４　　　「あえて繰り返す 〜politeness & broken record technique」

職場で上司にキレられたりすると、キレられた方は相手の怒りを収めるべく、相手の怒りと必死に向き合おうとします。実はその「必死に向き合う」あなたの態度が、キレるほうの怒りをエスカレート（増幅）させてしまっている可能性があるのです。自分がキレることで相手が必死に向き合うのが快感になってしまっているサイコパスな人間は存在します。自分のために適切な注意やアドバイスを与えてくれる相手ならまだしも、理不尽にキレたり言いがかりをつけてくる人間を相手にしても、ムダに疲れるだけ。そんな時の対処方法がいくつか存在します。

まず、大切なのは「相手の怒りのエスカレートに付き合わないこと」です。つまり、自分の対応パターンを決めてそれを愚直に繰り返すことです。

具体的には、

・同じ謝り方、返事の仕方、敬語の使い方を繰り返す
例）「ごもっともだと思います」「確かにそうですね」「自分としては…」

・相手が話題を変えても一定のテンションと表情を保つ（雑談に乗らない）。

というのがポイントです。大切なのは「自分の感情を乱すような距離に相手を入れない」ことです。このようなコミュニケーションスキルを専門的にはポライトネスと言ったりします。そしてこちらとしては、壊れたレコードプレーヤーのように、同じテンションで同じフレーズをひたすら繰り返すのみ。これを専門的にはbroken record techniqueと言います。やがて相手も、怒りの増幅がだんだん落ち着いてくるか、疲れてくるか、諦めるかの態度に変わってきます。

相手が感情をあらわにしたり、大声を出したり、威圧的な言葉を使ったりすると誰だって動揺します。でも、こちらが対応のパターンを決めれば、相手を観察する余裕が出てきます。そして気づくことでしょう、「この人がキレるパターンは同じじゃん」と。わかってしまえば大丈夫なのです。

Psychotherapy Area “Self”