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検索キーワードから仮説やビジネスの種を見つける方法

SEOの99%は地味な作業の反復です。

ずっと検索していたり、Search Consoleでキーワードを色々見たり、分類して何か出てこないか調査したり。
コンテンツの精査やチェック、案出しをしたり、他サイトのチェックをしたり。。

サイトによって違いはありますが、地道なことの繰り返しがほとんどです。

ただ、こういった地道な調査の繰り返しをしていると、たまに面白い事象が見つかったり、それが企画として動いたりします。

自然検索からの流入は、良くも悪くも流入するキーワードを完全にコントロールできません。
何かしら情報発信をしていると、それなりに流入するキーワードが増えてきますが、このキーワードの中から仮説やビジネスの種が見つかることがあります。

自分たちが気付いていなかったニーズや、ビジネスの種が見つかった時は興奮します。

今回は、検索キーワードから仮説を見つける方法について解説します。

サジェストや関連キーワード”以外に”お宝が眠っている事がある

今から5年ほど前になりますが、僕はサジェストキーワードを網羅して記事コンテンツを作成する事が好きでした。

顕在化されていて分かりやすいキーワードを比較的かんたんに網羅できますし、上位になると、それなりに検索トラフィックも見込めるので施策化しやすく取り組みやすかったです。
関係者への説明もしやすいですしね。

今もサジェストは活用するのですけれども、以前ほど積極的に活用しなくなりました。
ビジネスに合わせて訴求を尖らせた方が事業貢献度が高くなることが多いから、です。

ツールから抽出したデータから独自性は出しにくい

サジェストや関連キーワードを使う方法は、ツールで誰でも気軽に、それなりに検索数があるキーワードが見つけられる反面、独自性が出しにくいです。

発想がサジェストという誰でも見られるデータ起点なので、記事コンテンツを作成する場合、検索して(そのタイミングで)上位に出てくるページを調査します。

ネットでよく問題になっていますが、「似たような記事ばかり並ぶ」状態の一端を作り出すことになってしまいます。

ビジネス的にも特徴のない記事コンテンツができあがってしまうので、事業と親和性がない記事コンテンツになり、あまり評価されず順位も振るわなかった、といった事にもなりやすいです。

Search Consoleの「検索結果」のクエリデータを見ていくのはオススメ

「検索パフォーマンス」→「検索結果」
この下にキーワードリストが表示されている

検索結果は自サイトで表示されたキーワードのデータになります。
検索結果から自サイトへ流入していないけれども、検索結果には表示された、みたいなデータも表示されます。

サイトごとに全く違うものが表示されているので、自サイトがどんなキーワードで評価されているのか、評価されやすいのか?みたいなことが分かります。

表示されるキーワード数は1000キーワードまで、と少ないのですけれども、検索数が少ないキーワードのデータも表示されるので「これは!」と思うキーワードに出会える可能性もあります。

上の例は、3ヶ月の表示回数が数千万くらいのサイトの事例ですが、これくらいキーワード数が多いサイトであっても面白いデータに出会えたりします。

また、競合他社がツールから拾うことが難しいようなキーワードでもあるので、独自性も出しやすいです。

キーワード単体で施策化するのではなく、複数のキーワードに共通する事象から考える

自サイトのみの貴重なキーワードデータから気になるキーワードが1つ見つかったとしても、そのままでは施策化しにくい可能性が高いです。

キーワードは、具体的なデータにはなりますが、これらに共通する事象を探した方が施策の幅が広がりますし応用が効くようになります。

もし共通する事象が見つからない場合、仮説を立てるのは保留した方が良いです。
見つからないこともあるので、根気よくデータを見続けてることが大切です。

※注意点
複数のキーワードから共通する項目を探す事は大切ですが、そのキーワードを同じ人が検索している訳ではない点には注意が必要です。
あくまで仮説を立てる材料として使います。

[筋トレ]関連キーワードでちょっと事例を

例えば、パーソナルトレーニング事業のサイト内のブログで
筋トレ 伸び悩む
神経系トレーニング
低レップ 多セット
といったキーワードでの流入、もしくは反応があったとします。

これら単体のキーワードを見ていくと、バラバラの情報を調べているように感じます。
恐らく表示される情報はバラバラでしょう。
記事コンテンツを作る場合、恐らくキーワードに合わせて別々の記事コンテンツになるのではないかな、と思います。

ただ、これらのキーワードは実は1つの特徴があります。
トレーニングをしている方であればピンとくるんじゃないかな、と思います。

これらのキーワードで検索している方は
トレーニングで扱う重量が伸び悩んでいる
可能性が高いです。

もう少しユーザー像を深掘りしてみます。
「扱う重量で伸び悩んでいて」それを検索する、という事は「高重量を扱うことが重要なユーザー」である可能性も高いです。

フィジークやボディビル寄りの志向ではなく、パワーリフティングなどの競技に主眼を置いている可能性があります。

これが
筋肥大
部位別 筋トレ

みたいなキーワード(のもっと細かいキーワード)であれば、またユーザー層が異なっている可能性があります。

キーワードデータ群の共通点を見つけて仮説を立てる

先ほどのキーワード群から
扱う重量が伸び悩んでいる
という仮説を立ててみました。

では、高重量を扱っていきたいのは何故でしょう?

更に仮説を深掘りしてみます。
ジムでトレーニングをしている人の一定数の中には「重い重量が持てるようなった事」がモチベーションになっている人がいるのでは?

独学でがんばっているけれども、伸び悩んでいてジムでトレーニングするのが苦痛になっている人がいるのでは?

パワーリフティングの大会に出ているけれども、数年ほど自己ベストが更新できない、という人がいるのでは?

どの仮説が、どの程度当たっているか?は分かりませんが、検証はできそうです。
記事コンテンツだけではなく、SNS投稿ネタに使える可能性もあります。

具体的な悩みにフォーカスすると施策化しやすい

筋トレといえば、
筋肉質のカッコいい身体
太い腕
スポーツ競技のパフォーマンス向上

など、見て目の変化か、他のスポーツの基礎力向上にフォーカスされやすいです。

ただ、トレーニング自体が目的となっていたり、楽しんだりする、という層が一定数存在します。
そういった方々にとっては重量の伸び悩みは結構深刻です。
「停滞期を何とかしたいけれども、どうしたら良いか分からない」と思っている可能性が高いです。

この悩みを解決するような
記事コンテンツ
広告用LP

などが作れたら、トレーニーカテゴリの中の新たな需要が掘り起こせるかもしれません。

仮説を立てるためにはカテゴリ知識も人間理解も必須

キーワードの閲覧はSearch Consoleの閲覧が可能であれば誰でもできます。
ただ、その業界に疎く知識がない人がキーワードを見ていても、そこから新しい仮説を立てたり、違和感に気付ける可能性は低いです。

キーワードから仮説発掘をするのであれば業界知識は必須ではあります。
ただ、それだけでも足りなくて、キーワードから検索した人の悩みを感じ取るような嗅覚も重要です。

業界知識のあって人間理解も得意な方、もしくは別々のスキルを持つ複数名でキーワードをチェックし続ける事で、共通点が見えたり、ぼんやり顧客像が見えたりしてきます。
結果的にそこから仮説が立ちます。

個人的な感覚ですが、SEO歴が長い方は、このキーワードから悩みを感じ取る嗅覚が鋭いように感じます。
こういった知識やスキルが協力できた時、新しいサービスや切り口は見つかるのかな、と感じています。

同じサービスをしているのに訴求を変えて事業が成長することがある

サービス内容は一緒だけれども、訴求を変えたら一気に売上が増えた。
申込み依頼が来た、という事は実際にあります。

筋トレの事例は、僕が創作したものです。
ただ、この事例のような順序で仮説を見つけて実際に検証し施策化。
同じサービスをしているけれども訴求を変えたら一気に伸びた。
という事例はあります。

特にSEOもマーケティングも、組織を横断するようなチームで取り組むようになったクライアント企業では顕著に出てきています。

自サイトで長年ブログを書いている
オウンドメディアを運営している

といった方は、Search Consoleを見てみてください。

ビジネスを加速させるような仮説の種が眠っているかも知れません。
必要としている方にサービスの存在が認知されるかも知れません。

さぁ、Search Consoleのチェックを!
・・・地味な仕事ですけれどもねw

筋トレ関連の事例にした理由

僕自身がトレーニング好きで、キーワードが思いつきやすかったので例に出してみました。
6年以上、トレーニングしていますが、伸び悩んだことも何度かあります。

永遠に成長するのは無理でも「あとちょっと、あとちょっと。。」と成長を求めるのは人間の根源欲求なのかも知れません。

・・・あれ、これも仮説かな?



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