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キャッシュエンジン型経営について考えてみた

大竹慎太郎さんの「企業3年目までの教科書」(文末にリンクあり)を読んでキャッシュエンジン型の経営について考えてみた。

全体の感想として、ビジネスグロースするしないというのは運不運的側面がすごく大きいので、堅実に日銭を稼げるキャッシュエンジンを据えてハイリスクハイリターンな領域に繰り返しベットできるのは「失敗」するリスクを低減するために効果的だと思った(1発勝負よりは)。結果論だけど一般消費者にはECで知られるアマゾンも実はAWSというキャッシュエンジンを持っているし。

1労働者を1事業者として読み替えると、会社員をキャッシュエンジンという位置付けにして、副業でハイリスクハイリターンな事業を行うとかもキャッシュエンジン型なんだろう。そういう意味だと、会社員は景気変動に対しても強いローリスクローリターンなキャッシュエンジンになるので、リスクを取りにくいけど起業したい人にとっては完全独立より合う人もいるかもしれない。よりキャッシュエンジンとしてのパワーを出したい人は独立するとか。

# キャッシュエンジン型経営とは

提供したサービスに対して確実に対価をもらえる事業を主軸とした経営方針で、サイバーエージェントやライブドアがその代表格。

システムの受託開発や広告代理業、代理営業など、必然的にBtoBになることが多く、労働集約型がメイン。(他にもある?)

# キャッシュエンジンを主力事業にすることの意義

- 企業存続のための日銭を稼げるので、余った力でハイリスクハイリターンに張れる。
- 組織力を育成できる。
- 継続的に会社を存続させることで、企業文化の醸造ができる。

# 労働集約型の課題点

- 人材を維持するのが難しい
- 効率化を促すのが難しい
- 営業活動が難しい(???)

## プレイヤーのケアが不足しがち

- 経営戦略などが伝わっていない場合が多く、自分がどんな役割を果たしているのか自認出来ていないプレイヤーが多い。
- 労働集約型であるがゆえ、必然的に残業過多で休みが取れないなどの状況に陥りやすい。
- 早く仕事を終わらせることのインセンティブが乏しいことが多く、企業にとって得がある方向に労働者のインセンティブがない。
- 例えば、労働者が早く仕事を終わらせたら有給以外で休みがもらえるとか、インセンティブとしていくらかボーナスを出すとか分かりやすいインセンティブがないと効率化へのモチベがなくなる。
- 「仕事ができる」ようになりたくなるインセンティブ設計が出来ていない。
- 労働者にとっては自社開発への踏み台になって然るべき状態。

## 経営への理解が乏しい

- サービスを提供する1労働者にとってはきた仕事をこなすというマインドになりやすく、どうやったら自社の利益が上がるのか考えている労働者はマネジメント層を除くとごくわずか。
- 不景気の局面になった時は仕事自体が少なくなるため、余剰サービス提供者が発生し営業が不足するというシーンになりやすい。
- 全員プレイングマネージャという役回りをつけるべき?

## 継続的に案件が入ってくる状況が必要

- 構造上、案件を獲得できる強みが必要。
- 企業が求めているのは企業自身の収益が増大すること

今のいわゆるSIerでは責任範囲が狭い。(システムを構築するところまでしか責任を追っていない)

がしかし、責任範囲を広げて顧客の収益が増大するところまでとかやるとリスクも上昇してキャッシュエンジン型じゃなくなる?

- 対価のもらい方を動いたベースにすれば問題ないか

大きな企業と小さな企業は対価のレンジが違う?

# どこに参入のチャンスがあるか

## イノベーションのジレンマ的側面

小規模案件は大きな企業になればなるほど参入障壁が大きい。(予算200万くらいの案件とか)

- マネジメント層の原価が大きい
- セルフマネジメントできる非マネジメント労働者が少ない(PMを兼任できるエンジニアが少ない)

## 未成熟企業または個人に対するサービス提供

原価を抱える性質上、ある程度信頼のある企業に対してのみサービスを提供するSIerは多い。

先に支出が決まっていて、後から収入を決めるビジネス。

## 人材獲得戦略上の優位性

規模の大きいPJになればなるほどより一般的な技術スタックの選定がベターになるので、人材獲得戦略上不利になる。組織が小さいことでよりモダンな技術スタックを選択できるようになる?

# アイデア

会社と労働者の関係

労働者がビジネスサイドの知識や経験を身に着けるほど会社への依存度が減っていく。

結果として独立へ向かうのは目に見えている。(会社にとっては人材流出は避けたい)

会社と労働者がWinWinの関係になる道はないのか。

規模の経済が生きる部分を会社が提供するのは?

独立して困ることを会社が解決するという存在になる。

- 社会的信頼を担保するために所属する
-- 賃貸が借りやすくなる
-- ローンを組みやすくなる
- 最低給与保証(その代わり会社に月々売り上げの〇〇%は渡す)
- 経理系のインフラを提供する
- 職場を提供する
- 人間関係構築の機会を提供する

この辺は法律上のあれこれがめんどくさそう。。

新入社員に対しては各社員が個別に契約して売り上げの一部をシェア。

仕事を渡すことで自身の売り上げもスケールさせていく。

職種を問わず業界ごとにチームを組んでいくとか。

より自立分散でありながらもコラボレーションが容易な組織。

フリーランスと会社員の中間のような組織。

社員のタレント化が促され、単価が向上?

大竹慎太郎「企業3年目までの教科書」

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