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試作の準備:3Dプリンター

3D CADでのモデリングの学習と並行して、3Dプリンターを調達した。師匠のアドバイスおよびインターネット上の情報をからEnder-3 Proという機種を採用することにした。金額が手頃であることに加え、YouTubeなどでもチュートリアル動画が豊富であったことも決めてであった。
通常のプリンターのインクに相当するフィラメントはTech Bears (PLA, 1.75mm) のものをAmazonで調達した。

注文から数日経って、でかい箱が届いたときは非常に興奮した。箱は腰をいれて持ち上げる必要があるくらいずっしりと重く、それが自分のものであると思うと不思議と強くなったような気がしたし、部品を出して並べてみると(図1)、これから何か動くものを組み立てるという気持ちの高まりだけでもプロジェクトが前進している手応えがあったのだ。

図1:3D プリンターの組み立て前

説明書は某家具メーカーのものに比べれば実にわかりやすく、初めてでも組み立てることができた。難しかったことといえば平行を取りながら主要部品を組み付けることだったが、早く自分のデザインをプリントしたい!という気持ちが強く、なんとか乗り切った。スイッチを入れディスプレイが光り、射出部が軽快な音をたてて動いた時、頼もしい仲間が加わったという感覚であった。

図2:怪しく光る青いディスプレイも、頼もしく見えるのである

組み立て後、これでようやくプリントできる!と鼻息も荒くやってみたものの、そうは問屋が下さなかった。フィラメントは熱で柔らかくされ、柔らかくなったフィラメントを射出してプリントしていくのだが、このフィラメントの射出部と、土台となるステージがちょうど良い塩梅で平行具合や距離が調整されていないといけなかったのだ。
師匠にメールでアドバイスを受け、YouTubeでチュートリアルをいくつも見ることでなんとか良い具合に落ち着けることができた。私が苦労した調整ポイントは他の人もよくつまづくポイントだったようで、YouTubeに同じ機種での説明が拾えたのが良かった。

調整後、最初にプリントしたのは3Dプリンターにデフォルトでインストールされていた「犬」である。フィラメントがどこかで引っかかってないか、崩れてないかと、完成までに何度となく途中経過を見に行った。徐々に足が見え、顎のラインができ、と進むに連れてSF映画で遠隔地から人がワープしてくるシーンを思い出した。

図3:最初にプリントした犬

出来上がった犬は、真っ黒のなんの変哲もない犬なのだが、自分の家で、パソコンの中にあったデータが手に触れる形として現れるのは本当に不思議で、素晴らしく美しく感じた。

記念すべき3Dプリント第一号の犬は、大事に私の机の上に飾ってある、、と言えれば良かったのだが、今や犬はどこにいるのかわからない。犬で印刷できることがわかるや否や、すぐさま香水ケースの試作に取り掛かったため、犬の鑑賞に浸っている時間はなかったのである。

次はいくつか香水ケースの試作の品々を紹介したいと思う。

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