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初期スケッチ。 アリババの誘惑。

五感に訴える金属ケース、をどんな形にするのか?
ジッポ型がいいな、とは思ったものの他にも何通りか書いてみた。

①自動車のリモートキーのように、ボタンを押すと中の練り香水収納部がくるりと回って飛び出すタイプ(サムネイル図)。バネの触感の良さはわかるのだけれど、いまいち良い音が出るイメージがつかなかった。

②他の練り香水ブランド(dyptyque ソリッドパフューム)で採用されるコンパクトタイプ。馴染みのある形なので、スケッチも容易であった(図1)。使用感を想像するために、試しにレゴを使って簡単な試作も行った(図2)。私の手が小さいのもあるが、片手での開閉に難がある。ある程度の容量を持たせようと思うともっと困難になるだろう。

図1:コンパクト型のスケッチ
図2:レゴで試作

③ジッポ型も当然スケッチした。
このあたりは暇があったらノートに落書きをして、容量(8−10ml)が入り、かつ片手で開閉できるサイズ感を探っていた。

図3:ジッポ型のスケッチ 書き込みが多く思い入れがよくわかる

書いてみると開閉ギミックだとかサイズ感、実際に使う時のイメージが具体性を帯びてきてとてもよかった。何より頭の中にあるアイデアが2次元とはいえ現実世界に形を作っていく様が興奮させる。

いくつもスケッチを描きながら、頭の中ではこれはどうやって作れば良いのか?量産可能な設計ではないよな..?と実現性に対する懸案も広がっていったのだった。

練り香水向けのケースの中でも、コンパクト型や、ここには書かなかったフリスクのような清涼菓子で使われるスライド型、リップスティック型のケースはAlibaba.comで ”Solid Perfume" と検索するといくらでもヒットする(図4)。練り香水のブランドを立ち上げたいのであれば、既存のケースを利用するのが手っ取り早く、何よりコストは抑えられるに違いない。
しかし、五感に訴える、というコンセプトも含めて自分が好きなものを実現する、というところに挑戦したいという想いが強かった。金型をきっと作って量産するんですよね?どんなところに頼めば良いの?金型代っていくらなのか?金型を作るための試作って何回くらいやるの?などなど疑問がたくさん浮かんできたのだけれど、それは実現不可能な障壁ではなく、ゴールに向かうまでのチェックポイントとして、楽しいイベントとして私には移っていた。アリババの誘惑よりも、ゴールに向かう楽しさが勝っていたのである。

図4:アリババの誘惑

次はまたスケッチを紹介しながら、ギミックの検討についてもう少し書いてみようと思います。

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