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『漫才協会 THE MOVIE 舞台の上の懲りない面々』感想

気になっていた映画『漫才協会 THE MOVIE 舞台の上の懲りない面々』を見てきました。

水曜日のサービスデーに加え、特別公演で僕の好きな新宿カウボーイの漫才も付いているということで、有楽町角川シネマへ。

ビックカメラのビルの8Fなんですね…知らなかった…


ナイツはモロ同世代なのですが、単純にああいう正統派漫才が好きなのに加え、新しいものをしっかり評価し取り入れつつも、古き良きものを守り・繋いでいこうとする姿勢は超リスペクトしています。

そしてナイツが話す漫才協会ネタが大好物、ということで楽しみにしていた作品です。


会場に入りしばらくすると、ある意味今回の目玉でもある新宿カウボーイが登場します。

新宿カウボーイ


一般的にはかねきよさんのポンコツキャラみたいな印象が強いかもしれませんが、このコンビの注目すべきはツッコミの石沢さんです。

ラジオ『有吉弘行のサンデーナイトドリーマー』を聴いている人はアシスタントとしてお馴染みですが、石沢さんの「張らないツッコミ」はそれこそナイツの土屋さんや博多大吉さんなどに匹敵する関東屈指の実力者だと思ってたりします。

そんなこんな新宿カウボーイ、この手の営業はお手の物とばかりに安定した笑いを取っていきます。
勢い重視に見えて、すごくしっかりと丁寧に漫才をするのが好きなんですよね。

と、いうわけで大満足だった…のですが…定番「サイコロ転がし…」をやってくれなかったのは悲しかったです…苦笑


さて、映画本編の感想に行きましょう(ネタバレがあるので、公開が終わるまではご注意ください)


映画の構成・あらすじとしては「関東漫才の歴史」「漫才協会の歴史と概要」「様々な芸人のエピソード」を、実際の映像とナイツ土屋、小泉今日子のナレーションで紹介していくドキュメントものとなります。

芸人の映像はおぼんこぼんやU字工事、錦鯉、X-GUNなど知名度のある芸人はインタビュー中心、一般的に知名度があまりない師匠や若手はドキュメントという感じです。


まず、全体に対しての率直な感想は…

NHKのドキュメンタリー番組みたい

というもの。

それも元々3~5話くらいで放送されたものをまとめた総集編を見ているような感覚でしたね。


趣旨である「漫才協会の紹介」という部分ではよくまとまっていてそれなりに面白いのですが、先述のようにナイツの漫才協会ネタが好きで、ビートたけしや爆笑問題と一緒に漫才協会をいじっている感じをイメージして見に行くと(こういう人が多いと思うんですが)、正直…“毒気”が足らず物足りない、という感想になると思います。

ここは話術のプロ中のプロが枝葉を付けて話す内容が面白すぎて、実際の画がそれを超えてこないというのがあります…苦笑


あとは各エピソードが短か過ぎるのが勿体ない気がしました、師匠たちの内容がそれぞれ「ザ・ノンフィクション」2話分位は余裕であるボリュームなので、もっとじっくり見たいという気持ちになります。

また、おそらく意図的にそうしているのだと思うんですが、師匠たちの映像を「泣け」とも「笑え」とも料理するではなく、ただ淡々と流すんですよ。

この作り自体は「お涙・お笑い頂戴」とされるよりもずっと好感が持てるのですが、前提知識のない客がそれぞれの登場人物に感情移入したり、馬鹿だなぁと呆れたりするには流石に情報・時間ともに足りなすぎる気がします。


それにしても「映画を撮る」って難しいんだろうなぁ…と感じましたね。

ナイツ塙さんのような超実力者で、さまざまな企画・構成に携わってきたような人でも、即名作とはいかないんだな、と…苦笑。

個人的にはネットフリックスかどこかで、各エピソードに充分時間をとって再編集した「完全版」として全7話くらいで放送してほしいな、と思いました。


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