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アルカリ洗濯のメリット

アルカリが汚れを落とす仕組み

セスキ炭酸ソーダや炭酸ソーダ等のアルカリ剤には以下の様な作用があります。

・油脂を自然乳化(けん化)する作用。
・タンパク質を分解する作用。

これらを利用して皮脂汚れや垢、血液、食品等衣類に付着した汚れを洗い落とします。

自然乳化やタンパク質分解の作用はゆっくりと進みます。できれば炭酸ソーダやセスキ炭酸ソーダを溶かした水に3時間程度洗濯物を浸け置くのがお勧めです。

石鹸洗濯より簡単

石鹸は優れた界面活性剤です。また、一定濃度以下に薄まると急激に界面活性を失うという環境に優しい性質も併せ持っています。

ただ、石鹸で上手に洗濯するにはある程度のコツを飲み込む必要があります。また、少々手間暇も掛かります。お住まいの水質如何では石鹸が非常に使い辛い可能性もあります。

一方、炭酸ソーダ(炭酸塩)やセスキ炭酸ソーダは石鹸より手間がかかりません。

水に溶け易いので粉石鹸のような溶かし込みの手間が不要。濯ぎ回数も少なくて済む。石鹸は20℃以上の水温が必要ですが、アルカリ洗濯ならそれ以下の水温でも洗えます。洗浄力も水質にあまり影響されません。

総合的な洗浄力は石鹸に適わないものの、使い易さという点では上回っています。

アルカリ洗濯の具体的な方法については以下記事をご参照下さい。

環境に負荷を掛けにくい

無機化合物である

石鹸や合成界面活性剤は油脂を原料とする有機化合物です。その為、排水と共に環境に排出されると水環境に有機汚濁を発生させる可能性があります。

また、有機化合物の排出が余りに多いと生分解を行う微生物が疲弊し死滅することもあります。

一方、無機化合物であるアルカリ剤は最初から生分解が終わっているのと同じ状態です。その為有機汚濁は発生せず、生分解を行う微生物類に大きな負荷を掛ける事も抑えられます。

使用量が少ない

例えばセスキ炭酸ソーダの場合、水30リットルを使う洗濯に必要な量は小さじ2程度。石鹸や合成洗剤と比べるとかなり少ない量です。その分環境への影響も低く抑えられます。

ただしアルカリ剤と言えど使い方が悪ければそれなりに問題が起きます。適正な量・使用方法で使う心がけが必要です。

現代の洗濯物はアルカリ洗濯に適している

現在の洗濯事情がアルカリ洗濯に適しているという面もあります。

洗濯は基本的には「汚れたから」行う物です。ただ、現在の暮らしでは石鹸レベルの洗浄力が必要になる汚れ物はそう多くは出ません。どちらかというと「着たから・使ったから」洗うという事が多いのです。

例えば1日着ただけのシャツや、一度使っただけの湯上がりタオル。これらを毎回手間暇掛けて石鹸で洗う必要は実はありません。

アルカリ剤で足りる汚れはアルカリ剤で洗うのが合理的です。アルカリ剤の方が環境への負荷が低いなら尚更です。

石鹸と上手に組み合わせて

とはいえアルカリ洗濯だけで全ての汚れに対応することは難しいと思われます。総合的な洗浄力は石鹸を始めとする界面活性剤にはやはり適いません。

酷い汚れは石鹸に任せ、石鹸を使うほどでは無い汚れはアルカリで手軽に洗う。お互いの欠点を補いつつ上手に組み合わせて使のがお勧めです。

組合せの例
・平日はアルカリ洗濯。時間のある休日に石鹸洗濯。
・一ヶ月の内、最初の一週間は石鹸洗濯。残りはアルカリ洗濯。
・石鹸が必要な汚れ物は取りのけておき、ある程度溜まったら石鹸洗濯。

急ぐ時はセスキプラスを

アルカリ洗濯の最大の欠点は浸け置きが必要な事です。

アルカリによる油脂乳化やタンパク質分解の作用はゆっくりと進みます。その為、衣類の汚れを充分に洗い落とすのにはそれなりの時間が掛かります。

アルカリ洗濯をされる方は「夜に最初の攪拌まで行い、朝に洗い上がるようタイマーを掛ける」という方法を採用されることが多い様です。

そのような工夫では追いつかない時はアルカリに酵素を加えた「セスキプラス」がお勧めです。

セスキ炭酸ソーダの作用に加えて4種の洗浄用酵素が汚れを速やかに分解する為長時間の浸け置きが不要です。


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