共産主義の対立軸は、自由民主主義?

 自民党の甘利氏が、つぎのような発言をしました。

 同じく、自民党の河野氏も、似たような発言をしています。

 共産主義と自由民主主義とを対立させる意見について、下の記事によると、以下のような声が上がっているようです。

しかしネットでは、甘利幹事長に対して《共産主義の対立軸は資本主義だと思うのだが、彼は民主主義だと勘違いしているのかな?》

(下の記事より引用)

 共産主義の対立軸は資本主義で、その他は対立軸になり得ないというのは、よくある勘違いです。共産主義を経済体制としてしか捉えていない人はそう認識しているでしょう。しかし、共産主義とは単なる経済体制ではなく、政治的なイデオロギーでもあります。経済的な文脈では言わずもがな、共産主義の対立軸は資本主義になりますが、政治的な文脈では自由民主主義と対立軸を成すこともあります。

 共産主義における民主主義とは、プロレタリアート独裁のことです。プロレタリアート独裁は、しばしばプロレタリアート民主主義と言い換えられてきました。一方、共産主義において、自由民主主義は「ブルジョワ独裁」であると批判の対象になります。なお、共産主義では暴力革命が肯定されています。

*下の記事もご覧ください↓

 したがって、共産主義的な政治の在り方と、現代日本のような自由民主主義的な政治の在り方は相いれません。甘利氏や河野氏のように、共産主義と自由民主主義が対立するような発言は、共産主義を単に経済システムとしてでなく、政治的イデオロギーとしても認識した上での表現だと思います。

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