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健康とは「病気ではない」ということではない

少し前ですが、元東大医学部の助教授で、今は軽井沢病院にお勤めの稲葉俊朗さんからお話を聞いたので、シェアします。

稲葉さんのプロフィールは、こちら

・1979年熊本生まれの医師で
・2004年東京大学医学部医学科卒業、東京大学医学部付属病院循環器内科助教(2014-2020年)を経て、2020年4月より軽井沢病院総合診療科医長
・信州大学社会基盤研究所特任准教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、東北芸術工科大学客員教授を兼任
・未来の医療と社会の創発のため、伝統芸能、芸術、民俗学、農業など、あらゆる分野との接点を探る対話を積極的に展開し、山形ビエンナーレの芸術監督も勤めている

今回は稲葉さんのお話の中で印象的なフレーズを残します。

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医学は病気学ではなく、健康学であるべきと、稲葉さんは唱えていらっしゃって、健康であるということは単なる治療行為や予防医療ではなくて、「どう生きるか」を思考し、自身のみならず、社会や他者との関係性という「全体感」の中で育むものというお話が、グッときました。

私も最近well-beingについて研究をしていたので、わかるなー
と思うことがたくさんありましたが、
人の幸せは「自己完結」、「他者との関係性」、そして「超越的」という性質の異なるタイプでの幸せっていうのがありますよね。

自身、自尊心、自己効力感、達成感は「自己完結」。
で、他者との関わり合いから生まれる感謝、利他主義、良好な関係などは「他者との関係性」で、社会的意義などの広範で俯瞰的な視点は「超越的」。

だから、稲葉さんが仰ってる全体感というのは、自己という存在を超えて、より社会や他者との接続の中で感じ得る「健康」ということなのだろうなぁと理解しました。

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコースのクリエイティブリーダシップ特論 第10回(2021年9月13日)にて

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