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スマホRPGをSwitchに移植した話

最近、このようなことがありました。

はい、僭越ながら 個人で作ったスマホRPG「5つのネイト」が
NintendoSwitchで発売されることになりました!!

凄い! 自分でも驚きです!


発売日は 12月2日。 無事発売されました!
セール中はお安くなってますので、是非!

個人制作において、環境がどんどん良くなっている昨今ですが
コンシューマーで出すとなると、まだまだハードルは高い印象です。
そこで、今回自分が経験できたことを(許される範囲で)共有できればいいなと思い、書いてみました。

(この記事は、事前にパブリッシャーさんに確認して貰っており
許される範囲で、書けることを書いています。)


パブリッシャーさんから連絡が来た!

「5つのネイト」リリース後、パブリッシャーである 有限会社レジスタさんより連絡が来ました。

”コンシューマー化に興味ありませんか?”

はい、ここが全ての始まりでした。
開発中は NintendoSwitchに出すなんて、本人たちもまったく思ってなかったんです。
「2~3年後に、なんか出せたらいいな~」くらいの気持ちでいました。

後から知ったのですが、いくらハードルが下がったとは言え、
個人でNintendoSwitchにゲームを出すのは まだまだ大変なようです。
実績を積むまでは、パブリッシャーさんと組むのが最適解なんだろうと思います。


パブリッシャーさんと組んで良かった事

という事で、パブリッシャーのレジスタさんと組んで NintendoSwitch移植を行うことになりました。

組んで良かった点をまとめると

・NintendoSwitchの開発機材を貸してもらえた。 (初期費用0円)

・レジスタさんはこのような移植の対応経験が豊富だったので、移植に際して注意しないといけないところを前もって教えてもらえた。
そこに気をつけて移植作業するだけで良かったので、やりやすかったです。

・CEROの審査出し、PV作成、提出周り、ストアページ
などなど、実装作業以外のめんどくさい所を全部やってもらえた。

・販売計画もお任せ
セールの対応とか、絶対 うちでやるより詳しいと思うので。

という感じで、基本的に自分たちは実装作業だけに集中できました。


移植作業って大変?

「5つのネイト」はUnityで作られています。

最初の取っ掛かりは、とても簡単でした。
なんせ、UnityHubのプラットフォームを Switch に変更するだけで

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「5つのネイト」が Switchの実機で起動!

心の底から「Unity すごーーー」
って思いました。

まぁ、そこから先は 一筋縄とまでは行かなかったんですけどね・・・


キー入力対応が大変!

「5つのネイト」は、元々 スマホゲームなので完全タッチ操作です。
が、もちろん そのままではNintendoSwitchに出せません。

キー入力対応する作業が、移植作業で一番かかりました!

なんせ、コンシューマーに移植するなんて想像もしてなかったわけで
後付けで機能追加しないといけないんですよ。
これがほんとに大変。

画面の種類や、その複雑さによりますが
「5つのネイト」では、だいたい 3週間かかりました。

キー入力をどう対応したのか?については、本題から外れるので、
方針だけ書くと・・・

・元々のソースはできるだけ触りたくなかった。
・ので、キー入力システムを上に乗せる感じでつくった。
・具体的には、各画面の状態遷移図をあらかじめ登録して
”矢印カーソルがこのボタンの上にある時、右を押すとこのボタンの上に移動”
”Aを押すと、矢印カーソルが乗っているボタンを押したとして イベント実行”
”Bを押すと、このイベントを実行”

みたいなシステムを上に載せる事で、うまく対応できました。


他 苦労したところ

↑ のキー入力周りの変更に合わせて、影響が大きいチュートリアルも全修正となりました。
これで1週間。 つらい・・・

セーブ周りは Unityの PlayerPrefs の機能をそのまま使うだけではダメだったので 3日くらい


それ以外では、詰まった時 Switch関連の情報は、ネットで検索してカジュアルに答えを求める
という事がまず不可能なので、そのあたり 覚悟が要ります。

個人的には、困った時はサンプルプログラムを読み解く方法が 一番やりやすかったです。


追加要素も用意する!

スマホ版の「5つのネイト」は無料で最後まで遊べるRPGです。
それをそのまま移植して、買ってもらうわけにはいきません。

満足してもらえる追加要素を用意する!
その気持ちを込めて「5つのネイト+」というタイトルにしました。

追加シナリオに、追加ボス

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制作期間1か月 + バランス調整1週間

頑張って・・・ 本当に頑張って作りました
1か月ちょっとで作ったとはいえ、なかなかのボリュームがあります。

しかも、今回のボス戦は なかなか面白い仕掛けをしていて
個人的にも満足しています。

(今回のボス達は、状態異常をテーマにしているのですが
「5つのネイト」以外では見ることのないようなオリジナルな状態異常を思いつくことができました。
今回の新ボス作りをとおして このゲームシステムはまだ面白くできる という確信を得られました)

この追加シナリオを1か月ちょっとで作れた というのは、割と自信につながり
なんか、「1か月でショートRPGを作ってリリースもできるよねー」
みたいな事を 思っちゃいました。


何度も遊べる「プラスモード」

とはいえ、追加シナリオのために 一度クリアした人に もう一度最初から同じゲームを遊んでもらうのは、どうなんだろう?

から、「プラスモード」を考え付きました。

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なんと、このゲーム最大の特徴「ネイトボード」の配置を好きに入れ替えてゲームをプレイできます!

これが自分の中でもかなり「やった!」という思い付きで
ネイトボードの配置によって、立ち回りがこれまでと変わったりするんですよね
前と比べて苦労せずに倒せる敵もいれば、今まで以上に苦戦するような敵になったり

最悪、レベルを上げれば詰むことは無いと思いますが ゲームバランスは保証外です。
が、新たな「5つのネイト」を楽しんでもらえると思います。

ちなみに、基幹システムを大幅に変更する仕組みではありますが、プログラムの作りが良かった(自慢)お陰か 
「プラスモード」はだいたい1週間で作れました。

この「プラスモード」は、ゲーム開始時に好きな配置を決め 最後までそれで遊んでもらうモードです。(途中で変更不可)

”ゲーム中好きなタイミングでネイトボードを変えられる遊びはどうか?”
との提案も受けましたが
「5つのネイト」はネイトボードの不便さを如何に乗り越えて攻略するか?を遊びのコンセプトにしています。

それをボスに応じて好きに配置しなおせると、不便さを乗り越えるのではない攻略要素としての遊び に変わってしまうため、謹んでお断りしました。

この「プラスモード」の遊びは、Switchへ移植のための何か追加要素を!という必要に迫られて思いついたアイデアであり、この点でも今回の移植作業をして良かったな と思っています。


という事で(まとめ)

「5つのネイト+」の移植作業は、7月から開始し

キー入力対応  3週間
チュートリアル 1週間
セーブ周り   3日
プラスモード  1週間
追加シナリオ  5週間
バグ対応・ブラッシュアップ  3週間

などなど
なんやかやで、3か月+α くらいで移植作業終えました。

頑張りました。
(めちゃくちゃ疲れた)


このタイミングで移植して良かった

早めにNintendoSwitch開発を経験できたのは、とても良かったです。
今後のプロジェクトは(移植するかどうかはおいといて)あらかじめ移植しても大丈夫な作りができます。

もし、今後 似たようなタイトルの移植作業が来ても 最低1か月くらいは短縮できるんじゃないでしょうか。


それと、スマホ版開発直後に Switch移植ができたのも良かったです。

今回 4月にスマホ版完成
その後、2か月 別のゲームを作成し(わちゃわちゃパズル)
7月に移植作業

だったんですが、プログラムの内容 どこでどんな処理をやってたか?
細かいところ まぁまぁ忘れてたんですよね

更に大きいのは、バランス調整の肌感覚

2か月開いただけでこれなので
1年後に移植作業 とかなってたら、大変なことになっていたかもしれません。



5つのネイト+ よろしくね

という事で、ほんとに出ちゃうんですよ
NintendoSwitchで

是非ともお願いします!!
初めての方も、一度クリアした方も!!

本当に頑張って、心を込めました!!!


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あっ、そういえば「5つのネイト」の特徴の一つに ゲーム内攻略本があるんですが(スマホ版では 広告視聴すると、ページが解放される)

もちろん NintendoSwitchでも健在!

ページ数も増えて、182ページ!
頑張りました、ほんとに・・・


スマホ版は無料なので、こちらを遊んでもらえるだけで
十分嬉しいです!

[iOS]

[Android]


最後に

2021年は
「5つのネイト」
「わちゃわちゃパズル」
「5つのネイト+」
と三作品 リリースする事ができました。

良かった良かった。

2022年もよろしくお願いします。


私は こんな奴です。

こんな目標を持って、日々ゲームを作っています。

たまに、こんなゲームデザイン記事を書いたりしています。


この記事は「ゲーム制作者が自由な記事を作る Advent Calendar 2021」
に参加しています。


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