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本: NHKスペシャル『人体Ⅱ 遺伝子』 ついに発売。執筆しました!

2019年のゴールデンウィークにコツコツと書いていた本がついに販売されました。

すでに取材記などは出ているので、差別化の意味もあり、本はビジュアルをふんだんに利用しています。また、私は日本の先生方に御世話になることが多いので、なるべく多くの日本の先生方のご研究を載せました。日本で素晴らしい研究がたくさん行われています。本当は、さらに多くの先生方のお話があったのですが、私の力が及ばず落ちてしまった内容もあり、そこは申し訳なく思っています。いつかここに掲載しようかな…

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『NHKスペシャル 人体Ⅱ遺伝子』医学書院刊

ゲノムや遺伝子、DNAといった名称は効いたことがあるけれど、何をしているのか、どのように自分たちを制御しているのかといったことは案外わかりにくいものです。この本を読むことのメリットは、これらをビジュアルに理解できることです。素晴らしい先生方と優秀なCGクリエイターとともにつくった秀逸のCGをたくさんの画像で紹介しています。読むのは少し面倒なところもあるかもしれませんが、DNAを制御するメカニズムは根本原理であり、それを知ることは自分の頭で考えるときの大きなヒントになります。

偶然ですが、コロナ禍というこの状況を考えるのにも、ヒントになると思います。ウイルスが多様性とどう関わるのか。ワクチン取引といった状況下で日本人のゲノムをどう考え、今後どう扱うべきか。

私たちの生活は、すでにゲノムやDNAを利用したテクノロジーが普通に使われる時代に入っています。コンピュータと、DNAやタンパク質といった身体の構成要素に関する情報の莫大な情報処理が可能になったことで、いよいよ全体から個をみるようなことが可能になろうとしています。そうしたテクノロジーの進化が、私たちや、私たちを囲む環境においてどういう意味をもつのか、本のなかで考察しています。

もしよかったら、読んでみていただけませんか? そして一緒に考えてもらいたい。それが、本を書いたモチベーションです。

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p.s.野球、観戦できる人の数が上がりましたね。少しチケット取りやすくなるのかな???

私はあまり筆が早い方ではないので、GW後も、休みの日に執筆を続けるという苦行のような日々を送りました。だいたい1日6000字くらいのペースでした。とりあえず、全体の目標文字数まで書き、その後、全体を眺めみて文章の並べ替えをします。そこで、立て直しを考えて、最終の結論を書きます。最初からは結論はないです。書いているうちに何に向かうかが見えてくる感覚です。

この段階で通常原稿を見せることはありません。しかし、今回試しにお渡ししてみて、大失敗でした。やはり草稿段階では、他の方には見せない方が良いということがよくわかりました。

最初から再度、書き直しました。今度は最終の結論に向けて、内容を推敲しながら書き直ししていきます。その後、編集者の方にお渡しします。通常、編集者の方に最初に見せるのは、1度は始めから書き直した原稿になります。ここからまた編集者の方とともに推敲を繰り返していきます。

皆さん、どんな風に書いているんだろう。私の周りの人々はそりゃあ、筆の早い人が多くて、自分が嫌になります。

本はつくるのに時間がかかるし、労力も大きい。労働時間もすこぶる長い。それでも書くのは、本になったときの喜びと、できることは全部やったという達成感からかなと思う。今回はもう一つ、この内容は是非知って欲しいという面が大きかったように思います。



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