新科目「歴史総合」入門(5)参考になるもの
さて、ここからは「近代化」「国際秩序の転換と大衆化」「グローバル化」のそれぞれについて順を追ってみていく前に、参考となる書籍をちょっとだけ紹介しておきたいと思います。
よみやすいもの
個別のテーマや歴史学、歴史教育について、どのような問題意識があるのかをつかむには、これがおすすめ。1冊120ページ程度で、読みやすいです。山川出版社のリブレットは高校生向けのつくりではないので、この清水書院のシリーズのレベル感で間口をひろげたシリーズがあればいいなあと思います。
観やすいもの
NHK高校講座
まちがいないのは、これです。
歴史総合のミカタ
図解アニメーションがわかりやすく、科目の趣旨にものっとっており、長さも適切です。無料で視聴できるものとしては、もっともよいのではないのでしょうか。
ムンディ先生
世界地図の上に項目を詳述するスタイルで、世界史(西洋)と日本(東洋)史を統合させようとしているようです。※2023/04/01現在は途中。
おすすめしたいもの
歴史総合の書籍には、たくさんのラインナップがすでに出ていますが、授業者にとっては、こちらがもっとも手軽で優れた論集であると思います。
もう少し深く、歴史学における近年の議論を俯瞰するには、桃木至朗先生の以下がおすすめです。
2021年より3度目の刊行がはじまった岩波講座からは、特に以下が参考になります。
歴史総合では、あるできごとが現代の課題とどのようにつながっているか、現代の課題のルーツは何か、といったことが問われます。小池先生の次の書籍が良きガイドとなります。
歴史総合では、18世紀オスマン帝国や清に関する事柄が鍵をにぎります。中学校までは、ヨーロッパに関することは少しは聞いたことがあっても、アジアに関することはあまりイメージしにくいのではないかと思います。以下がとっかかりとしてはよいですよ。
個々の地域に関するものについては、また改めて紹介したいと思います。
歴史学については、やはり小田中直樹氏のこれが、いちばんよい入門書だと思います。
その他、読んでよかったと思うものをいくつか
このたびはお読みくださり、どうもありがとうございます😊