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教育から考える、フィンランドと日本の子供の貧困対策 by#せかい部×SDGs探究PJ高校生レポーター 山本崇仁(順天高校)

近年耳にする貧困が起きている理由を紹介します。


 SDGsの第一項目である、”貧困をなくそう”という項目がある。貧困は長年問題視されているものの、どうしてなくさなければいけないか疑問に思ったことはないでしょうか?国連報道センター(UNIC)はこう言っています。
 なぜ私たちは他人の経済状況を心配する必要があるのかというと、私たちの福祉がお互いにつながっているからです。不平等が広がれば経済成長に悪影響が及び、社会的一体性が損なわれることで、政治や社会の緊張が高まり、場合によっては情勢不安や紛争の原因にもなりかねないからです。


確かに2001年9月11日に起きたアメリカ同時発テロ事件の背景も貧困が大きく絡んでいました。アフガニスタンを代理戦場としていたアメリカとロシアは、町を破壊した挙句、復興に支援しなかったという理由が大きかったです。


 海外での状況が主にメディアで出回っているため、貧困といわれると、アフガニスタンや、アフリカ、カンボジアなどといった発展途上国のことを考え、親近感はないと思います。しかし、近年日本においても、貧困というのは重大な問題なのです。そのため、今回私は子供を中心とした日本の現対策そして、世界の貧困対策について話したいと思います。


 まず、日本の貧困の実態について話したいと思います。日本人の7人に一人が貧困にあるといわれており、ひとり親世帯になると、2世帯に1世帯が貧困にあります。ひとり親世帯の多くがシングルマザーであり、無縁社会(助け合いがない)という厳しい状況にいます。貧困には絶対的貧困と相対的貧困の2種類あり、日本は相対的に決まり、その国の文化水準、生活水準と比較して困窮した状態を指します。言い方を変えると、世帯の所得が、その国の等価可処分所得(収入から税金・社会 保険料等を除いたいわゆる手取り収入)の中央値の半分に満たない状態のことを指します。 OECD(経済協力開発機構)の基準によると、相対的貧困の等価可処分所得は122万円以下、4人世帯で約250万円以下となっています。日本では2016年に発表された世界の貧困率比較では、日本は世界で14番目の15.7%となっており、先進国の中では貧困率が高い状況にあります。このような厳しい状況に陥っているものの、どうして近年発覚したのでしょうか。それは問題としての認識が遅かったこともあるものの、その状況におかれている世帯の自覚が薄いことや、そう思いたくない世帯が多かったからです。

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 長年問題視されているものの、どうしてそう簡単に解決できないのでしょうか?それは経済的支援のみでは抑えることができないからです。その一つが、教育の不足なのです。貧困には負のスパイラルというものがあり、それは親から子、子から孫に貧困が連鎖してしまう現象を指します。親が貧困であると、子供は塾などに通えず、教育を十分に受けることは厳しいです。大学に行くためのお金がなく、学歴社会である日本で高収入の仕事に就くということができないです。そのため、教育は貧困の解決に欠かせないものなのです。


 それでは日本の教育面での貧困対策を紹介したいと思います。日本の数々の支援団体のうちの一つのNPO法⼈キッズドアという、⽇本国内の⼦ども⽀援に特化し すべての⼦どもが夢や希望を持てる社会の実現に向けて活動を行っている団体の講義を聞きました。キッズドアでは主に学習や生活の支援、カウンセリングや、体験活動を行っています。子供たちに勉強の場を与えているうえ、カウンセリングを通して子供のみならず、親のサポートも行っています。多くのひとり親世帯は無縁社会にあり、悩みを抱え込んでしまう傾向があります。抱え込みすぎるといずれ「自己否定感」へとつながり、最終的には劣等感や、あきらめなどの感情になってしまいます。そのようなことがないよう、心の支援も大切なのだとわかります。

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 次にフィンランドの貧困対策を紹介します。社会的格差は少なからずあるものの、フィンランドでは貧困がないといわれています。この背景には手厚い教育制度があるからです。スウェーデンではどんな家庭でもプリスクールから大学院まで授業料が無料なのです。そして、学校給食も高校まで無料なのです。この政策で学習達成度が上がることや、well-beingといい、身体的、精神的、社会的に良好な状態が期待されます。

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(フィンランドの世界一の公共図書館)


 最後にみなさんに知っておいてほしいことは貧困は自己責任ではないということです。貧困に陥ってる子供は高校や、大学に行くための経済力が不足しており、働くことによって勉強に注ぎ込む時間がないのです。それなのに、日本は学歴社会であるため、仕事に就くことが困難になり、再び子供の世代が貧困になってしまいます。そのため、私たちにできることは貧困についてもっと知り、ファンドレイズなどの支援を自発に行うことが必要です。高校生である私たちは貧困について得た知識を社会に発信するべきです。より多くの人に知ってもらうことにより、より身近な問題となり、支えあえる社会が形成されると思います。

<引用>                              
キッズドア およびフィンランドセンターが本プロジェクトで実施した各プログラムの講義内容より
本当の貧困の話をしよう 石井光太 文藝春秋     https://www.unic.or.jp/files/01_Rev1.pdf


順天高校(東京)山本崇仁
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(貧困をなくそう)

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