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スオミの話をしよう

映画館でフライヤーを見たときから、必ず映画館で観ようと決めていた映画だった。
私は普段から映画の予告をチェックして鑑賞するタイプではないが、
別の映画を観た際にたまたま予告を見ていたので何となくのあらすじは想像できていたし、物語の展開も皆目見当がつかないわけではなかった。
先が想像できる物語は観ていて楽しくないという意見に出くわすこともしばしばあるが、
展開を想像できないからこそおもしろい物語と
想像できているからこそおもしろい物語に分けられると私は考えている

私の中でこの映画は後者であり、想像できる展開の中に
想像してもみなかったからくりが含まれているからこそ楽しめる映画なのではないかとフライヤー、予告映像、ポスターすべてから感じることができた。

陳腐な言葉を卒業したいという理由から始めることを決意したnoteだけれど、結局これに尽きた。
「長澤まさみ様、素晴らしすぎる」
いくつもの表情と声、雰囲気を使い分けた演技と次は何をしてくれるのだろうとワクワクさせてくれるような期待感を纏ったうえで、
ひとりよがりになりすぎないような、そんな空気のある素敵な映画だった。
いくつもの顔を持ち合わせた長澤まさみさんに対して、
彼女と高校時代から一緒にいる宮澤エマさんの役はどこにいても
どんな役柄でもずっと同じソウルメイトでいたのが素敵な対比になっていた。
もはやこの物語の主人公は宮澤さんなのではないかと思わせるほど
いつ何時も堂々と存在しているのがかえって心地よかった。

癖ありの元旦那たちは一見するとそれぞれが抱えるメリットと同じかそれ以上のデメリットを抱えているように感じられたが、
そんな元旦那たちの好みに合わせ一緒にいることを楽しんでいるような
スオミの姿を見ていると、こんな形の愛も悪くないのかと思わせられるから不思議であった。
最後の旦那以外全員がスオミ逃げられたにもかかわらず今でもスオミを愛し、スオミを助けるのに必死になる姿を見ていると
このまま彼女の人生をずっと追いかけ続けたい、俯瞰した目で見ていたいとさえ思った。
元旦那としてかかわった人のみならず、映画という物語を飛び出してまで
魅力が伝わる彼女は、世の中の女性の究極の理想形なのかもしれない。

スオミにとって最後の男はどんな人なのだろうか。
もっとスオミの話をしていたい。


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