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書評#1)失敗の本質~日本軍の組織論的研究~

こんにちは。

記念すべき、書評#1投稿いたします。今回、書かせていただくほんはこちら↓↓

あくまで、私の主観に基づく内容ですので、事実と異なる点など、あるかもしれませんが、ご了承ください。一個人の意見として、参考になれば嬉しいです。

投稿の構成は以下の通りです。

 ①なぜ読もうと思ったのか

 ②内容

 ③所感

 ④まとめ


①なぜ読もうと思ったのか

上司から「日本の雇用制度は旧日本軍の組織がベースになっている」ということを聞き、別の先輩から、たまたまこの本の紹介をしていただきました。日本企業の組織の在り方を考えるヒントになればと思い、手に取りました。

②内容

前半は、太平洋戦争における各作戦の詳細とそれぞれのアナリシスが書かれています。

 ■取り上げられている作戦

  - ノモンハン事件

  - ミッドウェー作戦

  - ガダルカナル作戦

  - インパール作戦

  - レイテ海戦

  - 沖縄戦

それぞれのアナリシスを踏まえて、本の後半に、

「失敗の本質は何なのか?」

「失敗から得るべき教訓は何なのか?」

が書かれています。

前提知識が少ない自分にとっては、前半部分を読むのに苦戦しましたが、知っている方はすらすら読めると思います。

③所感

‐ 日本軍の組織的欠陥は、大東亜戦争以前は、機能していた

士官学校卒のエリート教育がなされ、陸海空軍それぞれがきちんと機能別に体系化された官僚的組織は、平時において、非常に統制がとれ、機能していました。機能別に年功的に階層が上がっていくので、「前例踏襲」「右向け右」的なことが、容易にできる組織の形です。また、機能別組織は、属人的なつながりがそのまま引き継がれていく、というのも特徴かもしれません。しかし、大東亜戦争突入後、不確実性が高く不安定かつ流動的な状況で、日本軍は、様々な組織的欠陥を露呈しました。①に「日本型雇用は旧日本軍の組織がベースになっている」と書きましたが、変化の激しいこの時代においては、必然的に、雇用形態の見直しが叫ばれるべきと言えるかもしれません。

‐  グランドストラテジー(一国のあらゆる資源を、ある戦争のための政治 目的の達成に向かって調整し、かつ指向すること)

日本軍の戦争終末観が極めてあいまいなまま、陸海空軍がそれぞれバラバラの戦い方になってしまったことも、失敗の要因として挙げられています。目的が明確になっていないため、陸海空軍がそれぞれの価値観の元、作戦を遂行し、日本軍としての統合が上手くとれていなかったということです。ガダルカナル作戦などは、とくに顕著な例です。陸海空軍それぞれが力をつけることは非常に重要なことですが、それをまとめる大本営がうまく機能していませんでした。現代の企業活動においても、「目的を明確にする」ということはよく言われます。企業の中のそれぞれの事業部や組織、そして、そこで働く従業員は、自らの立ち位置で改善を進めていくことは、非常に大事なことですが、一方でそれをリードする企業統括機能が、会社の進むべき方向性(目的)に資するべく、グランドストラテジーをもっておくことが、特に大企業においては非常に重要であると感じました。「統合と分散のバランス」が重要ということですね。

‐ 組織的学習「適応は適応能力を締め出す」

日本軍の組織では、その教育システム、人事システムなどが、適応「し過ぎた」結果、適応能力を失ってしまいました。大東亜戦争以前の特定の戦略原型に徹底的に適応しすぎて、学習棄却ができずに自己革新能力を失ってしまったのです。なんとも、逆説的ですが。個人的には今の日本企業にも、似たような考え方が強く残っていると感じます。日本企業の多く、特に製造業では、オペレーション志向が強く、継続的な変化への適応能力は強いと言われ、この強みは、高度成長期の製造業においてはかなり機能していました。しかし、現代の、この変化の激しい時代においては、必ずしも、マッチした仕組みとは言えないかもしれません。(すみません、上と同じこと書いてますね、、、)

④まとめ

非常に勉強になりましたし、また、時間をおいて読み直せば、新しい発見を得られそうな気がする、そんな本でした。

これまでの書きっぷりだと、「日本企業あかんやん」と言っているようですが、一方で、「成長する可能性にあふれている」と思っています。変化に柔軟に対応しながらも、なんて言うんでしょう、10を100にする力、仕組みは日本の強さだと思っています。これらをいかせるような、企業や組織の在り方を考えていきたいと思います。

つらつらと書きましたので、文章ちぐはぐな面もあるかもしれませんが、ご容赦ください。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

#書評 #書評ブログ #失敗の本質 #日本軍の組織論的研究


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