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Vol.8 相続財産あれやこれや

相続の準備をする

相続というと「自分には関係ない」と考える方と「大問題だ」と考える方と「関係あるけど対処済み」と考える方に分かれそうです。
この国で相続に関係する大きな財産といえば「不動産」です。不動産の扱いで相続は変わってきます。そのほかでは金融資産も相続に大きな比重を占めています。
私のような一般人と違って、富裕層と呼ばれる人たちはお金に対しての意識が高いので相続対策も長期の視点に立って対策しているので万全でしょう。
しかしながら一般的には亡くなった後に「さぁどうしましょう」と慌てて対応するのではないでしょうか。

ここ数年で相続に関する法律が立て続けに改訂されました。
私が両親を送った30年前とは制度も内容もかなり異なります。
細かい部分は詳しい書籍がいくつも出版されていますが、実際に自分で行うには、それなりの勉強をして知識を身につけても間違いやすいと思います。
現実的には司法書士や税理士の方にお任せすることになると思いますが、実際に依頼する、しないは別としても、自分の所有する資産をすべてわかるようにすることが最も大事です。
つまり事務的にやることリストをしっかり、徹底的に調べて作るわけです。
さらに保有する不動産の価値を調べたり、絵画などがあればその価値なども調べなければなりません。
なぜなら相続では資産を例外なく「お金」として扱うからです。現金は当然ですが金融資産や死亡保険金、前納した税金から還付されたお金、土地建物から固定電話の権利に至るまで、亡くなった方の名義のものはすべて含まれます。そしてその全てをお金に換算して相続財産として扱うのです。
そこにはプラスの資産もあれば借金などのマイナスの資産も含まれます。したがってプラスとマイナスのすべてを詳らかにする必要があります。

保有資産の洗い出し

ここでいう保有資産は、骨董品のツボとか、掛け軸の値段とかの話ではなく、マイナスの財産、つまり借金に関してです。
相続の手続きを自分の手で2回やった経験から考察するに「財産はプラスでもマイナスでも隠せば家族に迷惑がかかる」の一言に尽きます。
幸いにも私の場合は借金の相続はありませんでしたが、誰しも少なからず借金はあると思います。クレジットの支払いもつけ払いと同じですし、カードローンなどは立派な借金です。住宅ローンなども長期の借金です。
それらは適切な処理をすることで問題は起きませんが、問題なのは家族に隠した借金があった場合です。しかも相続した資産と相殺して負債が大きくなった場合は自分の子供や孫に借金を負わせることになります。
相続の場合はプラスだけを相続してマイナスは放棄するような都合のいいことはできません。
プラスを相続する場合はマイナスも相続しなければならず、マイナスを相続したくない場合はすべてを放棄しなければならないのです。
家族に知られるのは恥ずかしいかもしれませんが、亡くなった後にいろいろ言われたくないのであれば、正直に出しましょう。
そして可能な限り返済をしておくように努力してください。
また事前に税理士さんなどに相談しておきましょう。

保有資産の評価額

「オタクの逝き方」という本が2010年に出版されました。
中身は「オタク」と呼ばれる人間の所有しているコレクションアイテムは、一般的にはゴミでもマニアには垂涎の的であるとか、PCのデータの完全消去法などが書かれていました。
もし、あなたに趣味があって、ことさら何かに没頭しているのであれば、自分の大事なコレクションを正しく評価して欲しくはありませんか。
しかし、それは残された家族にとっては、まったく関心のないことです。
大事なコレクションも、他人にとってはジャマなゴミでしかありません。
だからこそ、自分が元気なうちに整理することをお勧めします。売却するのも良いでしょうし、知人に譲るのもいい方法です。
ただし誰かに譲る場合は注意が必要です。あまりに高額なものを一般的な金額を大きく下回って譲った場合は贈与とみなされて、贈与税が課せられることがあります。
とは言え、大切なコレクションを大事にしてくれる人に託せるのは市合わせんことだと思います。
それでも最後まで自分の手元に置いておきたいと思うのであれば、その先の事には目を瞑る事です。

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