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Vol.9 介護は続く、そこでの終活

介護の準備をする

こう言っては元も子もありませんが、人間はそう簡単には死にません。
アクシデントで亡くならない限り、しぶとく生きるものです。
また医療も簡単に死なせてくれません。
家族も簡単に諦めたりしませんから、なんとか延命措置を行います。
それにも増して本人の生への執着は計り知れません。「自分は違う」と言いつつも、本心は誰もが死にたくないと思っているはずです。
そんな気持ちを整理するのも「終活」です。
これまで亡くなった時を前提にしてきましたが、ここでは生きることを含めた終活の話です。

介護方法の希望

終活の定義のところで「自分が自分でなくなってしまう瞬間」の話をしました。
亡くなってしまわないとしても、「自分の体が自分の思い通りにならなくなってしまう」場合もあります。
その時に「どのように生きていくか、そしてどのように最後を迎えたいか」をしっかり考えましょう。
家族に負担をどこまでかけるかを、自分で想定して準備をするわけですね。
私個人の経験はないので「リアルを知らないだろ」と言われるかもしれませんが、友人知人の介護の様子を知るにつけ、その苦労は見て取れます。

厳しいことを言うようですが、介護は生易しいものではありません。
家族の生活に確実に大きな影響を及ぼします。国がどう考えているかなんて、所詮は楽観的なステレオタイプでしかないことは、これまでの介護に関する事故や事件から考えれば自明の理です。
であれば自分の家族は自分で守るしかありません。自分の家族を守りながら自分が生き延びる術を考える意味で介護と向き合いましょう。

介護施設の希望

現在ではさまざまな介護施設があります。そのなかで住んでいる場所の近くを考えたいところですが、現実では希望のところに行ける可能性は五分五分と言えます。
至れり尽くせりの施設に入ることができるのは、一部の富裕層だけです。
国が様々な施策をしているますが、介護施設への入所希望者があふれています。2022年の12月の段階で、特別養護老人ホームの入所待機者は全国で27.5万人だそうです。
また高齢者の数は2041年くらいまでは増えそうです。
となると老人介護施設の今以上のひっ迫は避けられそうもありません。
事前の調査と資金の準備、加えて心の整理と割り切りが必要でしょう。

介護費用の負担方法

希望の介護を受けるために必要なもの、それは備えです。
将来の自分の介護を見越した十分な貯蓄であり、先を読んだ保険です。
介護にかかわる保険商品は数多くあり、早めに備えれば後々の負担が減ります。
とは言え、新たに終活を始めた方で、すでに十分な保険金を確保している方ばかりではないはずです。
そんな方が今から間に合う商品も出てきているようなので、まずは資料を集めてみましょう。
慌てて契約する必要はありませんが、それでも時間をかけることなく、しっかり比較してみることをお勧めします。
さまざまな相談窓口もありますし、終活カウンセラーの方に相談するのもお勧めです。
それと同時に、その金額を誰が負担するかを家族で話し合いましょう。
相続する可能性のある資産との関係もありますので、しっかり話し合って、文書にまとめて保管しておきましょう。不確実な部分をなくしておく事で、自分も家族も安心できる未来がやってくるでしょう。

一人で暮らしている場合の介護

現実的な話をします。
65歳以上の一人暮らしの人口の推移はどの程度だと思いますか。
内閣府の令和3年版高齢社会白書では1980年(昭和55年)には男性約19万人、女性約69万人で65歳以上の人口に占める割合は男性で4.3%、女性で11.2%でした。
2015年(平成27年)には男性約192万人、女性約400万人で65歳以上の人口に占める割合は男性で13.3%、女性で21.1%となっています。
内閣府の予測では2040年には男性が約355万人、女性が約540万人で、65歳以上の人口に占める割合は男性で20.8%、女性で24.5%と予測しています。

ウェブで「独居老人 介護」と調べると数多くの情報が見つかります。
その中から自分に合った状況を探してみましょう。
また厚生労働省の介護事業所・生活関連情報検索を利用すると費用も簡単に調べることができます。
入ってくる年金とそれ以外の収入、出ていく固定費とそれ以外の経費をしっかり把握しましょう。
事務的にやることリストでお金の流れを把握していれば容易いことです。

家族と話し合う介護、誰かに相談する介護。
さまざまな思惑が交差するもの介護です。
「できれば施設ではなく家族に看てもらいたい」その気持ちはわかります。
しかしそれは家族のためか?と自分に問いましょう。
自治体も様々な窓口を用意していますから、十分に使い倒しましょう。

それでも現実は残酷だったりします。。
しかしながら、その現実を受け入れる覚悟を決めるのも終活の一環と考えて取り組んではいかがでしょうか。

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