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【100年フード】谷地の冷たい肉そば


100年フード

突然ですが「100年フード」ってご存知でしょうか?

日本各地には自然や地域の風土、歴史、風習の中で育まれた地域特有の多様な食文化があります。
文化庁が、それらを継承して行くことを目的として認定した食文化です。

文化庁では、我が国の多様な食文化の継承・振興への機運を醸成するため、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を、100年続く食文化「100年フード」と名付け、文化庁とともに継承していくことを目指す取組を推進しています。

https://foodculture2021.go.jp/hyakunenfood/

認定に当たり、以下の3つの条件を満たす必要があります。

①地域の風土や歴史・風習の中で個性を活かしながら創意工夫され、育まれてきた地域特有の食文化
(全国一律の食材や加工食品ではなく、地域に根差したストーリーを持つ食文化)

②地域において、世代を超えて受け継がれ、食されてきた食文化
(単に一人、一店による料理ではなく、地域の広がりの中で、二世代以上に渡って継承され現存する食文化)

③その食文化を、地域の誇りとして、100年を超えて継承することを宣言する団体が存在する食文化

https://foodculture2021.go.jp/hyakunenfood/

令和5年度までで、全国で250件の食文化が認定されています。

僕が100年フードを知ったきっかけが今日ご紹介する「冷たい肉そば」です。

この「冷たい肉そば」も令和5年度に100年フードに認定されました。

冷たい肉そばのルーツは大正時代

「冷たい肉そば」は山形県河北町(かほくちょう)谷地(やち)発祥で、
10年程前にB-1グランプリに出展したことから
B級グルメとして知っている方も多いかもしれません。

発祥は大正時代とも言われていて、
肉そばと言えど、豚でも牛でもなく、鶏肉がのっているのは
当時、町に養鶏場が多かった為だそう。

一寸亭本店で「冷たい肉そば」を堪能

先日、山形県に行く機会があり、その際に訪れたのが河北町にある一寸亭本店。
ちょっとてい」と読みます。
どうやらその昔、バスターミナルの付近に店を構えていたようで、
気軽に入れるようにと名付けられたとか。

創業100年以上の老舗だ。

営業時間は平日は11時〜15時、17時〜18時半。
土日祝日は11時〜16時の営業で、水曜定休日。
(※2024年6月現在)

記帳制で、お昼のピーク時はかなり混雑している様子。

この日は平日の14時前だった為、記帳をしてからすぐの案内だった。

冷たい肉そばを食べてみる

肉そば以外にも、せいろ、天そば、中華そばから丼ものまで
かなり豊富な品揃えがあり、目移りしながらも王道の肉そばをオーダー。

肉そばは税込850円。ハーフカツ丼(税込500円)も一緒に。

想像以上に上質な味わい

鶏骨だしのつゆは、かなりさっぱりとしながらも奥深く、コクがある。
もっと脂っぽいのを想像していた為、その上質な味わいには驚いた。

そばは、少し太めで、少し硬い。
もっちりとした食感の中にそばの風味と鶏の旨みを楽しめる。

具材の鶏肉は、皮がコリコリしていて、肉質は柔らかい。
脂もしっかり乗っており、そばと一緒に食べた際に麺に絡む旨みが絶妙。
これはやみつきになる!

カレー風味のソースカツ丼

「まかない飯」という卵かけご飯を、残ったつゆで食べるのが人気だそう。
だが、ソースカツ丼もまた、河北名物と聞いてハーフをオーダー。
よくある卵とじではなく、カラッと揚がったカツにカレー風味のソースがかかっていて、これもまた絶品。

谷地の肉そば会

今回訪れた一寸亭以外にも、河北町内には肉そばのお店が何店舗かあり、
河北町商工会のHPでは「谷地の肉そば会」に所属する
町内のそば店が紹介されています。

2024年6月現在、12店舗掲載されています。
次回、山形に行った際には、他の店舗の冷たい肉そばも食べられたらと思います。

100年フードは新たな食との出会い

現在、100年フードには以下の3つ部門があります。

①伝統の100年フード部門  ~江戸時代から続く郷土の料理~
②近代の100年フード部門  ~明治・大正に生み出された食文化~
③未来の100年フード部門  ~目指せ、100年!~

https://foodculture2021.go.jp/hyakunenfood/

発祥は大正時代とも言われる「冷たい肉そば」は
②近代の100年フード部門  ~明治・大正に生み出された食文化~
として認定されています。

文化庁の100年フードHPでは全国各地の100年フードが掲載されており、
今まで知る機会がなかった食を発見することが出来ます。

僕は埼玉県出身ですが、埼玉県の100年フードの内、知らない食が多数ありました。
新たな食との出会いだけではなく、自分の地元の新たな魅力も認識出来ます。

皆さんも是非、地元の100年フードや、食べてみたい100年フードを見つけてみてはいかがでしょうか。

最後に、僕らOffo tokyoの「Rainy Day」という曲を紹介して終わりにしたいと思います。

梅雨の時期はどうしてもグルーミーな気分になりがちですね。
そんな時にこのナンバーを聴いてみて下さい。


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