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菊池寛実記念・智美術館「走泥社再考:前衛陶芸が生まれた時代」展

1948年に京都で結成された「走泥社(そうでうしゃ)」という反伝統を掲げていた前衛陶芸グループの展示です。現在は活動を終えていますが、普通の器ではなく、立体造形としての芸術を追求した陶芸作品を創り出し、その新しい視点を日本の陶芸に根付かせた功績は大きいと言えます。特別な規則や方向性を有したグループではなく、多様な考えを持つ人材が集まり前衛という意識の下に活発な制作を行い海外でも注目をされていました。
「火を通したオブジェ」とも呼ばれて、作者の内面性の表現として陶芸作品の可能性を示すものです。ピカソやイサム・ノグチなど同時代の美術表現にも影響を受けていますが、日本の伝統技術と美意識を内包していることは確かです。

設計は板倉準三、施工は清水建設と水澤工務店。2003年竣工。

建物はモダンだがアプローチは和のテイストが良い
とてもよく考えられている作品ディスプレイ
設立メンバーである山田光の作品
最も知名度のある八木一夫の「ザムザ氏の散歩」
八木一夫の洒脱な作品
八木一夫の作品。ミロの影響か?

鈴木治の「土偶」というタイトルの作品
藤本能道(左)川上力三(右2点)

やはり八木一夫の作品は素晴らしい。炎天下の中、この美術館を訪れましたが、時間の流れが違う異空間が広がっていました。

■走泥社再考・前衛陶芸が生まれた時代展
菊池寛実記念、智美術館
2024年7月5日-9月1日
https://www.musee-tomo.or.jp/





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