何度目だろうがこれが初恋
好きな人がそのまま好きな状態でいる確証もない。
ましてや20代も前半の子なんだから変わっていて然るべきだ。
8つも上の女のことなんか忘れてたっていいのに。
年末年始に会えなかったらもうやめよう、なんて思っていたのに。
好きなアイドルのライブが好きな男の住んでいる場所で、好きな男の誕生日にやる。
そんなことで運命を感じてしまう、まだやめなくてもいい理由にしてしまう。
緊張しながら送った誘いのメールは快諾。
1月23日に会うことになった。
誕生日当日ではさすがになかったけど、推しのアイドルに会って、次の日は人生最大の推しに会える。
会えると決まってからの2ヶ月は期待しつつしすぎないように、もしかしたら会えないかもしれないとか思いながらダイエットに励んだり、お肌のお手入れに力を入れたりした。
老けたな、とか思われて嫌われたくない。
8歳差の壁は高いような気がするし。
当日まで会えると半分は信じずに過ごしていたからか、今から準備するねのLINEで泣いた。
来るんだ、会えるんだ。
1年と21日ぶりに。
そんなキモイ計算を脳内ですぐする。
会うまでの道のりは緊張で立っているのもやっとだった。
会うってだけでこんなに心揺さぶれる人なんか多分この先もいない気がする。
久しぶり〜なんて言って、いつぶりかなー?
とか白々しい会話して。
目の前に好きな人がいる衝撃。破壊力。
店員さんにも優しくて、意外と硬派で謎のこだわりがあるとことか変わってない。
わたしの好きなままだった。
もう無理だ、自分から嫌いになんてなれるはずがない。
やめよう、なんて無理な話だったんだ。
もう3年もずっと変わらない。普遍。
よく会ってたときにしてたみたいに散歩して、
やることもしっかりやった。
都合がよくてももう別にいい。
わたしの細胞が喜んでたし、寝顔が愛おしすぎて泣いた。
どんだけ長期戦でもかまわない。
一生好きでいよう。
今年はたくさん会っていこう。
私には信頼も何もないんだから、少しでも好きになってもらえるように。
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