泥酔

半酔の人は長寿なり - 養生大意抄06

1.食後に暖かいお酒を少し飲む

【原文】
○酒は百薬の長と古人いへり。少しく飲ば陽気を助(たすけ)、血気をやすらげ、食気をめぐらして大に益あり。多飲(のめ)ば血脈を乱し腸胃を傷(やぶ)りて大に人を損す。必多く飲べからず。人の性にて節(ほど)あり。其節を考えてほろほろ酔を度として其うえを飲すごすべからず。食後に少し飲ば食気をめぐらして益あり。温酒(かんざけ)をのむべし。陽気をかりて気をめぐらす故なり。冷酒はよろしからず。熱酒固(もと)より飲べからず。

【意訳】
「酒は百薬の長」と古人は言った。少し飲めば陽気を助け、血気をやすらげ、食気をめぐらしてたいへん有益である。多く飲むと血脈を乱し、胃腸を損ない、たいへん有害である。絶対に多飲してはいけない。体質によって適量があり、適量を考えてほろ酔を基準とし、それ以上を飲みすぎてはいけない。食後に少し飲むと食気をめぐらして有益である。かん酒をのむとよい。陽気を駆り立て気をめぐらせるからである。冷酒はよくない。熱酒はそもそも飲んではいけない。

2.半酔の人は長寿なり

【原文】
○凡人年弱(わかき)ときは血気いまだ定まらず。酒は固(もとより)よく人の血気を乱す物なれば、弱齢の人は酒をのまざるをよしとす。壮年に及び血気既に定れる比(ころおい)よりして半酔なるを度としてのむべし。半酔の人は長寿なりと古人もいへり。

【意訳】
年が若いときは血気がまだ定まっていない。酒はもともと人の血気を乱すもので、若年の人は飲まない方が良い。壮年になり血気がすでに定まったら、半酔程度に飲むと良い。「半酔の人は長寿なり」と古人も言っている。

3.ひとこと - お酒のかわりに甘いもの

私はお酒があまり飲めないので、「半酔」どころか、基本的に毎日「無酔」で生きている。

そういうわけで、お酒がらみの摂生については苦労したことがない。ただ、甘いものをやめろと言われると無理だ。甘いものも酒と同じように人を癒し、習慣化して中毒性もある。

そして酒と同じように、甘いものも食べ過ぎると体に悪い。いや、その悪影響は酒以上かもしれない。

実は昨年の健康診断で、血液検査のある数値でひっかかり、再検査になってしまった。自分ではそれほど食べているつもりはなかったが、クリーム系のお菓子が好きなので、そのせいだろうと思った。

要治療になるとめんどくさいので、ささやかな抵抗として、再検査前の2週間くらい甘いもの断ちをしてみた。すると再検査の結果は予定通り、すべて正常となった。

そして再び堂々と甘いものを食べ始め、今年もそろそろ健康診断の時期が来た。再検査で何度も病院に行くはめにならないよう、今回はあらかじめ甘いもの断ちをしなくては。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?