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養生やまと歌 - 江戸の養生書を読む 03

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和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。
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秋冬はをのれをのれのむしもみな巣に入あなに入も養生 - 養生やまと歌100

四季のめぐりに合わせて体は変化します。そして体は心とつながっています。⠀ ⠀ 陽気の活発な夏から一転し、秋冬は寒く陰気が盛んになります。⠀ ⠀ この時期に気分が沈み、不活発になる方は、生き物は皆そんなものだと思い、焦らずゆっくり過ごしましょう。⠀ ⠀ そのうち体が慣れ、心もきっと落ち着きます。⠀ ⠀ ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と In

必ずも常に持病のある人は春と秋との灸を忘るな - 養生やまと歌99

秋は体の方がまだ完全に冬モードに移行していないため、急な寒さが来ても対処できず、風邪をひいたり、体調を崩しやすかったりします。 そのため、江戸後期の『養生手引草』では、秋は冷えに対する抵抗力をつけるように、お灸をすべきだとしています。 ツボは足三里と曲池がおすすめです。10月中はこの2カ所に定期的にお灸をすえるとよいでしょう。 また、『養生訓』では特に胃の虚弱な方は、秋と春に以下のツボへのお灸をするとよいとしています。 天枢・水分・脾兪・腰眼・三里・京門・章門・胃兪

ゆか高く寝間のせばきをよしとする座中ひろきは風ぞ生する - 養生やまと歌096

現代では隙間風はあまりないでしょうが、睡眠時の冷気対策は必要です。北向きの部屋の場合、北面の壁際で寝ないようにしましょう。⠀ ⠀ また足の冷え対策のため、朝にズボンが膝までめくれてしまっている方は、足首の軽く締まったパジャマにしましょう。これだけで冬の朝の頭痛が減ることがあります。⠀ ⠀ ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagra

はまちをばあぶりて常に食すべし虚労にもよし少し用ゆる - 養生やまと歌095

ハマチはお刺身が美味しいですが、歌にあるように、生食ではなく、炙って油を落として食べる方がよいと考えられています。 歌に「少し用ゆる」と詠まれているように、補益の性質が強いものほど、食べ過ぎには注意を。特に生食の多食は控え、少量を美味しく味わいましょう。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https:

ひやひやと冷気覚えばただ早く 衣服重ねよこらへべからず - 養生やまと歌094

秋は冬のような寒さが、突然おそってくることがあります。衣替えはお早めに。まだの方は今週末にでも。⠀ ⠀ あと、冬の布団の準備もですね。⠀ ⠀ 朝晩涼しくて、日中だけ暑くなることもあるので、羽織るタイプの服の重ね着で対処しましょう。⠀ ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.co

胸脇もみちふさかりて痛つつ咽腫れ喉ひ出ば璇璣ぞ - 養生やまと歌093

胸部が緊張して、呼吸が浅くなってしまっている時に、ここを押しながら、数回深呼吸してみましょう。息が吸いやすくなります。⠀ ⠀ 押すときの姿勢もだいじで、顔を少しだけ上に向けた状態で押すと、より呼吸がしやすくなります。⠀ ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.com/seish

梨こそは熱のすわぶきとむるなり 耳の鳴るをも治するなりけり - 養生やまと歌092

歌にあるように、梨は冷やし潤す性質があるので、熱性の咳の時に、よく噛んで汁がゆっくり喉を通過させるように食べると、のどの渇きや熱が軽減していきます。⠀ ⠀ 耳鳴りの場合も、のぼせ感や熱感のあるものが適応で、これは梨の持つ「降火」という作用によるものです。⠀ ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https:

うつりかわる四季のわかちをかんがへて時に応ずる養生のみち - 養生やまと歌091

夏の激しい暑さから一転し、秋はゆるやかに寒くなっていきます。 養生の基本は、自然のめぐりに適応して過ごすことです。 秋からは睡眠時間を少し長めにとったり、汗を大量にかくような激しい運動はしたりせず、静かに過ごしていきましょう。静かなること秋の如し。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://

藕根は味わい甘く寒にして熱渇をやめ瘀血消ずる - 養生やまと歌090

レンコンは瘀血体質の方にオススメで、以下のようなエピソードが本草書に引用されています。 「宮中の食事を担当する役人が、血の煮こごりを作らせた際、料理人が誤ってレンコンの皮を血の中に落としてしまうと、血が固まらなかった。」 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.com/sei

心痛に脈弦にして虚労にて 足冷え遺溺太衝の穴 - 養生やまと歌089

太衝は足の厥陰肝経という、陰器や肝、眼などと関係する経絡に所属しています。 歌の中に「遺溺(いにょう)」とありますが、尿漏れだけでなく、尿が出づらい時にもよく、尿トラブル全般に使えるツボです。 また、婦人科系の症状にも用いることもあります。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twit

聤耳にみみもつぶれつ蝉も鳴き音の失れるは聴会の穴 - 養生やまと歌087

‪耳鳴りや耳閉感などの、耳の症状の治療によく使います。指圧刺激ですとそこまで効きがよくないですが、軽めの症状でしたら対処できるでしょう。‬⠀ ⠀ ‪片頭痛の応急処置的なツボとしてもオススメです。‬⠀ ⠀ ‪なお、聴会のみ押すよりも、以前紹介した中渚とセットで刺激するとより効果的。以下中渚の場所と押し方です…⠀⠀ ‪【耳の症状・片頭痛に】‬⠀ ‪押す順序も重要で、先に聴会を押し、その後に中渚を押します。押し方は以下のようにします。‬⠀ ⠀ ‪押す順序:聴会→中渚‬⠀ ⠀ ‪1

蜆貝湿気を下し乳をたらし暴熱を去り小便を利す - 養生やまと歌086

よく二日酔いにはシジミ汁がよいと聞きますが、本草学的にもシジミは「酒毒」を解毒するとされ、さらに味噌にも同様の作用があります。 サプリメントなども出ていますが、過剰摂取でかえって健康を害することがあるので気をつけましょう。 味噌汁で適量を美味しく飲むのがいちばんオススメです。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも

兎も角も癖になしなばくせづかん ただ善き癖をつくるにぞある - 養生やまと歌085

体に悪いものは、手軽で、楽しくて、中毒性があるものばかり。 これに打ち克つためには、手軽でつらくない養生法を探して、習慣化するしかありません。 ・10分早く寝る ・ご飯を一口だけ減らす ・20回深呼吸する ・時々姿勢を正す…等 小さな養生を積み重ねて、不養生を克服しましょう。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram で

栗の能腎補うて気をぞ益し 腸胃腰脚骨を強うす- 養生やまと歌084

本草学的に腎を補い、腸胃を厚くすると古来から言われ、秋オススメの食材になります。ただ、食べ過ぎると逆に腸胃を損ない、呑酸という逆流性食道炎のような状態になってしまうされますので、ほどほどを忘れずに。 ***** 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と Instagram でも更新中!  https://twitter.com/seishindo89  ht