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7月7日の未来をつくるサロン;なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想

今日は、防災施策について議論です。ケトルの『なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想』です。今回の九州地方等の大豪雨の中で議論すべきテーマかと。

東大の加藤先生の書評によれば、「著者によれば、これらは既存の政府の組織と制度が予想を超えた課題に対応できない結果だという。政府は公共サービスを非政府組織に委託して資金を供給するのみで、ネットワーク化したサービスや施策の全体を管理し、説明する責任を果たさない。そのことが問題を生むというのである。

こうしたネットワークは、繰り返し生じる同様の問題に、標準的な手続きで対応するルーチンから構成されており、著者はこれを「自動販売機モデル」と呼んでいる。それに対し、民営化、連邦主義、グローバリゼーションの下での多様な予測の難しい問題の解決には、異なる専門分野を横断し、任務達成のため、全体をまとめあげるリーダーシップが必要となる。こうした解決を促す仕組みは、政策に関わる人に大きく依存し、制度化になじみにくい。著者はこれを「ロケット科学」と名づけている。

著者は、ルーチンを越えた問題においても、説明責任を果たすことのできる政府の組織環境や制度の構築の必要性を説いている。ただ、その場合、適切な対応が行われる可能性は高まりこそすれ、完全に保証されるわけではない。状況から問題を区別し、解決できるかは、当事者の柔軟な対応に専ら依存するからである。」

まさしく、これから、日本国で発生するであろう、単純な委託、民営化の弊害、そして、法令だけでは解決できない社会問題が発見した場合、どのような組織、ネットワークを構築していくかが重要になるということかと。

その中で「民主的決定」をどの様にするのか、ある意味非常時に住民参加をどう進めるのかが議論の焦点になるかと思います。

今週に2回目のゼミです。ご関心の方はぜひ。

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