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#清流紫暁

わらいたまえよこのじんせい

わらいたまえよこのじんせい

嗚呼、外道様!!
わたくしの一生をわらってくださいまし

そのまがりきったまなざしで
わたくしをわらってくださいませんか

とうてい
このままではおれません

おれませんとも!!

そうかんがえたので
きょうこのひに
あなたにすがったばかが
ここにひとりいるのでございます

(2023/3/10)

春を喰らう

春を喰らう

はらりはるはるちるちるらん
桜が舞い散る春日和
あなたは遠くにゆくのですね
私をおいていくのではなく
「ついてこい」と
言わんばかりのその手にひかれ
私は前へ進み出す
その日は曇っていたけれど光芒が地面を照らしていて
へたに晴れているよりもよっぽど素敵でした
濡れた蓮華の葉が輝いて
あなたの顔を照らしていました

(卒業を迎えた皆さんへ)

水素の花火

水素の花火

はめを外しててんとんたん
あめを降らしてとんとんてん

傘をさしましょ
あめが降る

さあさ
狐の嫁入りだ
粒を真っ赤に染め上げて
青白い水素の玉を
傘にあてましょ

手に当たっても音はしないのに
傘では音がなっている
ひゅーとんぱちぱち
ひゅーとんぱらぱら

小さな花火が傘をつく

春の世は……

春の世は……

ハラリハラハラ 花がまう
つぼみが芽を見せ開いてる

ふわりふわふわ 風がふく
花弁が飛び交い真っ白に

さらりさらさら 川ながれ
ばぁの所に引っかかる

春の天気はうらうらと
出会いと別れを繰り還す

ばぁ…
 ここでは柳のこと。

砂と星と草

砂と星と草

砂浜に置いて忘れた心臓の
声を聴く時、星は燃え

星空にわざと忘れた心臓の
声を聴く時、草は萌え

草原に死んで忘れた心臓の
声を聴く時、砂はもえる