スペイン巡礼2018回想記(25)レオン休憩日
2018年5月30日。
本日、レオン一日観光。
レオンの主要な観光スポットはガイドツアー形式が多く、まず各ガイドツアーを予約して、その合間に街を歩きまわる一日となった。
残念ながら、レオンにあるガウディ建築カサ・ボティネスは夕方の回しか予約できず、夜21時まで出歩くはめに。休憩日だというのにまったく休憩にならないのだが、後悔のない旅のためには致し方ない。
最初はお約束、レオンの大聖堂から。
例によって個人的なメインは回廊である。よくわからない現代アート風のパーティション(工事中だった)、なかなかに邪魔。
町歩きでは、これも例によってスペイン・ユダヤ関連の史跡をチェック。ネット情報をもとに、レオンのユダヤ人街の痕跡を発見。
城壁は散歩できるようになっていて、地面より少し高いところを歩ける(上写真右側)のがおもしろかったのだが、通路のど真ん中に犬のフン(量が多い)があって、仕方なくそこを通るとそこにたかっているハエがいっせいに飛び立った(ムダにアクションをとると下に落ちそうだったので、冷静に通過するのが大変だった……)。
昼食はブルゴスでもお世話になった和食店SIBUYAのレオン支店へ。
相変わらず和食への狂おしい思いを抱えていた私は、勝手のわかった店となると自然と吸いこまれてしまった。たこ焼きはたぶん冷凍だと思われるし、なぜか揚げたこ焼きになっているが、まあいい。
くりかえすが、ハワイで食べたスーパーの和食よりは、スペインでの和食のほうが全般的にクオリティが高かった。
昼食後も少し町歩きをしたあと、2泊目の宿にチェックインする。
改修中でパラドールに宿泊できなかったので、またしても修道院リノベーションのホテルだ。オテル・レアル・コレジアタ・サン・イシドロ、サン・イシドロ修道院のリノベーションホテルである。
しかし悲しいことに、ここは修道院部分の見学がガイドツアーなうえ、カリオン・デ・ロス・コンデスのサン・ソイロ修道院とちがい、宿泊エリアと回廊部分が分けられて直接アクセスできないようになっていた。こういうの……よくないよーーーー!
うろ覚えの記憶によると、ガラス張りで回廊が見えているのだが、入ることはできない、という悲しい仕様だった。宿泊者が直接入れる回廊もあるが、ガラスのむこうでガイドツアーが開催されているのを見るのは、なんともいえない気分だった。
(上写真は宿泊者が入れる回廊の2階、下写真はツアー時の写真)
とはいえ、仕方ないのでツアーには参加した。あと、何か邸宅のガイドツアーにも参加したのだが、夕方にしか予約がとれなかったガウディ建築のガイドツアーが私のすべての印象をかっさらっていってしまったので、あまりよく覚えていない。
(邸宅ガイドツアーの写真)
夕方までさんざん歩いてヨロヨロになった状態で、ガウディ建築カサ・ボティネスに向かう。
実は、これまで何度かスペインを訪れている私だが、これが初めてのガウディだった。ほとんどスペインの半分だといっていいほどメジャーなバルセロナ、あの都市が未訪問。ああ行きたい。
(ガウディ建築カサ・ボティネス、外観がめちゃくちゃカッコイイ。正面も斜めもカッコイイってすごくない?)
それはそうと、初ガウディ。
おそらくすごくきれいに修復されているのだが、雰囲気を損ねていないのがすごい。あるいは、ガウディのデザイン自体が「モダン」で個性が際立っているから、きれいになっても(現代の建築だとしても)異和感がないのかもしれない、とか思った。
(ロビー階のエレベーター管、レトロなSF味あってとてもよいのだが、写真はむずかしい)
近代建築ではよくあることだが、窓の装飾がいちいちちがう。アール・デコ的な幾何学文様を組み合わせたガラス窓は、ずっと見ていても飽きない。ガイドツアーなのでいつまでも見ているわけにはいかないが、何枚も写真に収めた。
私自身ファンタジー小説を書く人間であり、毎回そのアイディア出しに苦慮することから、シンプルな線や丸で無限にパターンを生みだしている窓ガラスにはいたく感銘を受けた。よくいわれるように、クリエイティビティとは組み合わせなのだなあ。
随所にあるガウディの言葉の展示も、ガウディの姿勢をあらわしていて、記録せずにはいられない。
ときに先達の言葉が、日常を生きる私にとって指標になることがある。特に疲れているとき、そういう言葉が私を本来いたい場所へ立ち返らせてくれるのだ。
ガイドツアーは21時までかかったが、私は充実感でいっぱいだった。
もともと疲れていたので疲労感はかなりあったが、精神的にはとても満たされて、私は宿に帰っていった。
(夕食はチョコレートドリンクとビスケット)
(スペイン巡礼2018回想記(26)に続きます)
(リアルタイムで更新していたインスタ)
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