スペイン巡礼2018回想記(34)サリア〜ポルトマリン
2018年6月8日。
この日はサリアを出て、ポルトマリンまでの約22kmの行程。
アルベルゲ・ラ・カソナ・デ・サリアの朝食は、巡礼中、初遭遇のパンケーキだった。野菜こそないものの、果物もいろいろ用意されていて、アルベルゲにしては華のある朝食風景だ。
アルベルゲのおばちゃんが、次々とパンケーキを焼いては男性巡礼者にどんどん勧めたり、「私は巡礼者の母になる!」みたいなことを言っていたりと、なかなか楽しいアルベルゲだった(前夜いきなりイスが壊れたり)。
(アルベルゲ・ラ・カソナ・デ・サリア外観。1階の歩道に面した、ほぼドアのような窓の部屋だったので、ちょっとドキドキだった)
サリアからは巡礼者が一気に増える、という話は事前に聞いていたが、実際、増えた。
これまでは、周囲に誰も歩いていなくて正しい道かどうか不安、ということがよくあったが、サリアを出てからというもの、常に周囲に誰かが歩いている状態だった。
休憩時のバルも、タイミングによってはえらく混んでいて、女子トイレに大行列が発生し男性巡礼者みずから「男子トイレ使えば?」と提案してくるような場面もあった(私は乗らなかったが、提案に乗った女性巡礼者もいた)。
ツアー風の集団も多ければ、ゴミを堂々とそのあたりに放るような巡礼者も出てきて、マナーとして嫌気がさす場面もときどきあった(サリア以前もなくはないが、あからさまに増えた)。
私はといえば、もうすぐ終着点に行きついてしまうという一抹の切なさと、期待と、相変わらずただ歩くことが楽しいという気持ちで、ひとり黙々と歩きつづけていた。
この日の目的地ポルトマリンは、いかにも海の港という風情の名前だが、川の港らしい。
広い川にかかる橋を渡り、坂道を登って、今夜の宿アルベルゲ・アクア・ポルトマリンへ。アルベルゲで個室をとることにすっかり味をしめてしまって(安ホテルよりもうちょっと安かったと思う)、今夜も個室である。
夕食は、街の中心部のスーパーで買ったオイルサーディンなど。ビールの「エステージャ・ガリシア」は、巡礼中すっかり気に入って、帰国後ついつい箱買いしてしまった。
(スペイン巡礼2018回想記(35)に続きます)
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