スペイン巡礼2018回想記(43)クエンカ1日目
2018年6月17日。スペイン巡礼終了後のボーナスタイム5日目。
(マドリードのホテル、アイレ・グラン・オテル・コロンの朝食ビュッフェ)
観光客にクラスチェンジした私の本日の行き先は、クエンカだ。
クエンカは、巡礼の序盤で交流のあった例のおじさんのひとりが以前訪れていて、すごくよかったからとオススメしてくれていた。もちろん、クエンカやロンダのような崖の立地にある街はファンタジー心をくすぐるので、もともといつかは訪れたい憧れの地ではあった。
(マドリードを離れる前に大好きなレティーロ公園を少し歩く)
今回、自分の体力を信用できなかった私は、かなり余裕をもって巡礼のスケジュールを組んでいた。おまけに、やはり自分の体力を信用できなかったので、バスやタクシーでちょくちょく巡礼路をスキップしていた。
その結果、フィステーラ観光が終わっても、ボーナスタイムは2週間近くあった。十分すぎる時間。どこに行こうか。どこでも行ける。かなり迷ったが、ちょこまか移動すると旅費がかさむし移動ばかりに時間をとられるので、帰国便が出発するマドリードの近くでのんびり観光することに決めた。
(レティーロ公園のクリスタルパレス。3回目ぐらいか)
実は私は、スペインが好きで何度か来ているわりに、もっともメジャーな観光地であるバルセロナにはまだ行っていない。なぜか何度もマドリードのまわりばかり訪れている。でも、意外とマドリードも何回訪れても飽きない。トレドやセゴビアなど、マドリードから簡単にアクセスできる有名観光地もいろいろある(どちらも訪問済)。
(アトーチャ駅)
クエンカも、マドリードからアヴェ(新幹線)ですぐのところにある。
それで、人にオススメされるとすぐに行きたい性分でもある私は、ボーナスタイムの第一の目的地にクエンカを選んだのだった。
マドリードからアヴェに乗ることたった1時間で、クエンカに到着。
駅を出ると、広大な荒れ野といった茫漠とした光景が広がっていた。
巡礼前の私なら、たぶん即座にタクシーに乗っただろう。しかし巡礼後の今は、あまり深く考えずに歩きはじめていた。
本日の宿はパラドール・デ・クエンカ。駅からパラドールまでは徒歩2時間弱。車しか走っていない道を、高台にある駅から市街地にむかって下りていく。
暑い。遠い。重い(サンティアゴ・デ・コンポステラで調達したお土産は、魚の缶詰が中心だった)。
マドリードに近いこの街は気温が高く、冷夏だった今年の巡礼路とはまったくちがっていた。正直、今年が冷夏でよかったと思う。通常どおりのスペインの夏だったら、巡礼路上で熱中症になっていたかもしれない。私は暑さに弱いのである。
巡り合わせの幸運と、今現在の暑さと重さを噛み締めながら、私は歩いた。
ほどなくして街中に入っていったが、クエンカのあの夢のような街並みとはちがう新市街地がしばらく続く。
建物と建物のあいだから、ようやく旧市街地らしいものが見えてきた。
(人が多いのはパレードの名残り)
それと同時に、うしろから何かのお祭りのパレードがやってきた。先頭が聖職者らしかったので、なんとなく遠慮して写真は撮らなかった。パレードを横目に、旧市街地のある高台を登っていく。徐々に雰囲気のある街並みに変わってきた。
有名な「宙吊りの家」を発見。ということは、クエンカの街のハイライトは近い。記事で読むと一瞬だが、私は2時間炎天下を歩いてきたのである。
そしてパラドールに到着(写真上・正面崖上の建築)。「宙吊りの家」を臨むすばらしい立地だ(写真下)。テンション爆上がりしながら、チェックイン。
部屋も、「宙吊りの家」ビューの当たり部屋だ。
例によって部屋のミニバーを開ける。たかだかコーラが、窓の風景でプライスレス(プライスあるけど)。ちなみに普段コーラは飲まないが、2時間ほど炎天下を歩いた結果、体が清涼飲料水を求めていた。
パラドールに来てやることは、部屋でミニバーを楽しむこと、そして建築を満喫することだ。夕方のパラドールを歩きまわる。
ここも修道院リノベーションで、すてきな回廊がある。モノトーンの床はモダンな印象だ。
サンティアゴ・デ・コンポステラのパラドールと比べると少し見劣りするが、十分にステキなパラドールである。
夕食はパラドール内でディナー。
ここのハーフポーションのステーキは、個人的スペイン史上初のちょうどいい肉の量で感激。スペインでは食べきれないのが普通だ。
部屋からは、時間ごとに雰囲気のちがう「宙吊りの家」と崖の風景を見ることができる。この風景だけで一生飲んでいられそうだ。
(スペイン巡礼2018回想記(44)に続きます)
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