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スペイン巡礼2018回想記(30)ポンフェラーダ〜ビジャフランカ

 2018年6月4日。
 この日はポンフェラーダを出て、ビジャフランカ・デル・ビエルソまでの約25kmの行程。ビジャフランカでは、この旅2度目のパラドール宿泊が待っている。

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 ポンフェラーダで城壁を見ながらジントニックを飲んだのがあまりにも楽しくて、朝はそれを反芻しながらうきうきと歩きはじめた。
 空はどんよりしていたが、楽しい記憶のおかげで気分は軽やかだった。

 ポンフェラーダを出てからしばらくは住宅街の中と国道、ブドウ畑の中の道が続く。

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 昼食後に通りかかった道路沿いの茂みで、人生初の野生のうさぎに遭遇。
 小さくてかわいい! めちゃくちゃテンションが上がり、当然なんとか写真に収めようと試みたのだが、連中とにかく動きが速い。次から次へと顔を出してくれるのはいいが、顔を出すのに合わせてカメラを向けても、すぐ茂みに引っこんでしまう。私の鈍い反射神経ではまったく間に合わない。
 下手くそなモグラ叩きのような様相を呈しながら、必死で撮った写真が以下である。

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(よく見ると、真ん中からやや右上にうさぎが。下のリンクから当時リアルタイムで更新していたインスタを見ると、拡大したものをご覧になれます)

 あきらめて茂みを離れようとしたとたんに、あやしい雲行きだった空から、叩きつけるような雨が降りはじめた。すばやく駆け去るうさぎ。私もあわててポンチョをかぶったが、なかなかの雨量で、すっかり濡れねずみになった。

 土砂降りのなか、ブドウ畑の横をのぼっていくと、突然さっと晴れ間が出た。こういうとき、たかが天気が変わっただけなのに、不思議と何かに祝福されたような気がしてしまう。

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 ちょうどそのとき通りかかった女性巡礼者と目が合い、「なんか今、すばらしい瞬間でしたね!?」という目つきで私は彼女を見たが、彼女は「この道で合ってる?」と尋ねてきただけだった。

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 その後も山の中の道を歩きつづけ、濡れねずみはビジャフランカの街に入った。
 今夜はパラドール泊。雨で芯から冷えたあとに、きちんとした設備の整った宿に泊まるときの幸福感ときたら。

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 夕食もパラドールで。今まで経験したパラドールの中では、建物はいちばん普通(のリゾートホテル)だと思ったが、食事の味はとてもよかった。

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 夕食後はビジャフランカの街を散策。

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 街並み自体はヨーロッパらしくかわいらしいのだが、妙に空き家が多く、寂れていたように思う。少し怖かったので、駆け足で「よくあるヨーロッパの街並み写真」を撮って、一日は終わった。

(スペイン巡礼2018回想記(31)に続きます)

(リアルタイムで更新していたインスタ)


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