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『ハハハハ』

毎夜、腹下りで目覚める。
ありがとう、漏らす前に目覚めてくれて。感謝しよう。
2クール目のこの時期も『腹下り地獄』だった。投薬期間が終わる前後に訪れる、『地獄の腹下り』だ。

ついでに頭のなかから音もする。「シャンシャングリランシャングリラン」、そんな、テクノ系の音だ。
瞬きをしたり、首を傾いだりするたびに、鳴る。抗がん剤の離脱症状なのかもしれない。もしくは、私が体調不良の底にある証拠か。『じゃーじゃー』便だ。

妖怪じゃーじゃーがあらわれた。
「起こしてあげたのはおいらだぜ」
「そか、かなり、感謝している」
妖怪じゃーじゃーなりに私に手心をくわえてくれているらしい。
「腹をパンチして起こすのだ」
「う、それは止めてほしい」
「そうでもしないと間に合わないぜ、それと、コーモン60をコーモン100に増やしたほうがいいぞ」
「おお、それならたやすくできる」
早速、今からでも『コーモン100』に切り替えよう。『スクワット300』はしばらく減らそう。『スクワット300』はテレビ番組のコマーシャル中にやっていたのだが、テレビへの興味が著しく減じている。『光る君へ』しか興味がない。後は、『バス旅シリーズ』くらいか。
ぎゅっぱ、ぎゅっぱ、ぎゅっぱ、ぎゅっぱ。
「そうだ、それでいいぞな。それを毎日するのだ」
「ありがとう。妖怪じゃーじゃー」
「じゃーじゃーじゃーじゃーじゃーじゃーねー」
妖怪じゃーじゃーは去っていった。
別れの挨拶の『じゃーじゃー』が増えているのが気になるが。私の今後を暗示しているようで恐ろしい。

それから、悪夢を見た。忘れないうちに書き記しておこう。
ひょっよすると『妖怪じゃーじゃー』の悪戯であったかも知れない。
49歳の私が正式に『少年野球』のチームに選手として参加する悪夢だ。怖かった。ほんとに夢でよかった。
私が野面で、「グローブを40年ぶりに買いました、ハハハハ」とか言っていた。これ系の夢がいちばん怖い。「ピッチャーがやりたいです、ハハハハ」、当然、私はこんな『太陽野郎』な性格ではない。無理をしている。心底、夢でよかったと思う。

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