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『目安鼻血』

近年の物価高騰と私の『ガンかわいがり』生活で、清潔な空間づくりと大掃除と省エネが我が家では始まっている。私は性格上、いらないものを躊躇いなくポンポン捨てる事が出来る。
あるいは、それは人間関係においても顕著で、トモダチと言えるような者は一人もいない。簡単に縁を切れてしまう。よく言えば『さっぱり』わるく言えば『白状』なのだ。

そんなわけで、私の大掃除と断捨離は手早くリズムよく終わった。
問題は両親なのだ、こちらは、遅々と進まない。あれもこれもどれも捨てられない。袖を一度もとおしたことのない着物。一段抜けている、ボロボロのタンス。塗装がハゲて触ると木のささくれが襲ってくる鏡。なにも、捨てられないようだ。で、仕方ないので私が多少強引に大掃除と家の断捨離を推し進めている。

そのなかで、省エネにも着手している。もともと両親に省エネの概念はなかった。年金生活者に省エネの概念がない。そんな両親も世の中にはいるのだ。電気は付けっぱなし。電気ポットは夜中でも通電。魔法瓶モードに切り替えない。水道の蛇口は最強に開ける。食器を洗うとなればじゃぶじゃぶ水を使い放題で個々人が洗う。家族分をまとめて洗うことが出来ない。
「私が最後にまとめて洗おうか」と、昔から、何度も言っているのだが、元料理人の父親の意地でそれは私に任せられないようだ。家族それぞれの食事の食べ始めと食べ終わりがばらばらなのも、この問題が放置され続けた一因でもある。

今となっては『ガンかわいがり』生活の身の私が、あれもこれもどれもと家族の食器に触れることはできない。色々と手控えざるを得ないのが現状だ。
その両親がさすがの物価上昇で、省エネの概念を覚えはじめたようだ。
まず、私が結果を見せて「ほら、こんなに料金が下がったでしょう」という作戦を今年から徐々にはじめている。

トイレの水流量を節水モードに切り替えた。家中の水道の各元栓を絞り気味にした。そして、家の灯の人感センサー化とLED球化だ。とくに『灯りの人感センサーLED化』が、いちばん効果を上げ始めているようだ。
「こんなに電気料金が下がったのをはじめて見た」と、父親が昨日言っていた。ひとまず私の作戦は成功したようだ。しかし、玄関の外灯の太陽光発電灯化には失敗した。安物を買って銭を失った。これはやり直しだ。

『ガンかわいがり』』の2クール。5日目が過ぎた。
まだ、鼻血は出ていない。私はこの『ガンかわいがり』の体調の変化(降下)を、鼻血に委ねようと思っている。
いわば、『目安鼻血』だ。季節柄『標本鼻血』としてもいい。
私が1クール目で学んだのはそれだ。私の体調の変化は「つうん」とした鼻と真っ赤に凝固した鼻糞に現れるのだ。鼻血を合図にして、より慎重な行動をとらなければならない。
鼻血がでたら、家でもマスクをしようと思う。



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