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『ま夏。八月二十三日。今年は涼しい』

外気温のことではない。私が入院している棟内の室温が、昨年と比べてなぜか丁度いいのだ。私の体調もあるのだろう。なにせ、盲腸がんの昨年とは手術後の痛みが雲泥の差だ。痛みは昨年の十分の一といったところだと思う。

昨年は、術後の点滴後にホットフラッシュを食らっていた。それで、熱が出たのだ。ホットフラッシュとは簡単にいうとアレルギー反応の事で、眠剤か傷み止めの点滴と私の相性がたまたま悪かった。その結果、発熱した。今回はそれがない。けれど、手術室へ向かう前のエレベーターに乗った時に、むんと蒸れるような感じはなかった。昨年はあった。行き過ぎた省エネ対策をしていないのかも知れない。コロナ対策も段々と落ち着いてきた。無駄に窓を開けることを止めたのか。どうだろうか。

私は私で暑さ対策で、ハーフパンツしか持参していない。それも、効果的だった。とにかく、昨年よりは快適なことは間違いない。良くないことをひとつあげるとすれば、枕が匂うことだけだ。生乾きのような、汗のような、カビのような匂いだった。その枕は足下に押しやって、余ったタオルとシャツで即席の枕を作って睡眠している。

大部屋ということもあり、夜の睡眠は浅い。ストレス氏がむな騒ぐ。これは仕方がない、誰でもそうで、お互いさまといったところだ。昼寝をすればいいだけのはなしだ。時間はほんっとにたっぷりあるのだ。ただ、この入院中の暇の為に入会したネットフリックスを観る気にはなっていない。パソコンのバッテリー残量は97%あった。ちょっこっと日記を書くだけで、あとは、ぼうっとしている。

そして、入院写真をパチリ。小田和正感がでている。私のamazonmusicのリストには一曲も入っていない。これは聴かなければならないだろう。また、幾分私の額がひろくなった気がする。これが、抗がん剤。いや、もうすぐ五十歳。ということだ。

あれ、ぼやけている。まあ、いいか。小田和正感とハゲ感が伝わればいい。

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