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せいちゃんのReadingdrama#35「明るい私に」髙橋彩香


福らじで放送した4月のリーディングドラマ脚本です。
実は12月から何もも思い付かず書けていなかったので今月は書けて本当によかったー!!

リーディングドラマについてはこちらから↓


メンバーについて

髙橋彩香(たかはしさやか)
2001年11月22日生まれ、20歳
チーム8長野県代表・新チームA兼任
血液型O型
趣味歌を歌うこと、パン作り

今回は新チームの始動がそろそろということで、同じチームAの子をと、さやりんを呼びました。

前チームの村山チーム4では先輩メンバーである村山彩希さんや岡田奈々さんからも信頼されていそう?という雰囲気を感じ取っていて、気になっていたので新チームAレッスン(中止になってしまったコンサート)の時に真っ先に声をかけました。それにその日着ていたチェックシャツが私の好みだったので!

話してみると想像通りの優しさ、そして年下なのに包容力を感じる…
これは仲良くしてくれる!と確信。

今回はそんなさやりんの優しさと趣味のひとつであるというパン作り、そして事前にファンの方に聞いた
最近陽キャになろうとしている
という謎の情報をもとに作ってみました!

それではどうぞ

せいちゃんのReadingdrama#35「明るい私に」髙橋彩香


二人「陽キャに、なりたーーい!!」
夕暮れの土手で私達はそう叫んだ。

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彩香:クラス替えの春、私は変わりたいと願っていた。
聖菜:クラス替えが終わってそれぞれが少しずつグループを作り始める放課後、私は今年こそと思って窓際で一人携帯を眺めている女の子に声をかける。 
「ねぇ、なに見てるの?」

彩香:突然話しかけられて、驚いて横を見ると
「福岡、、さん?」
さっき自己紹介で趣味は読書といっていた女の子が立っていた。

聖菜「うん、えっと、彩香ちゃんだよね?」
私は福岡さん、と呼ばれたのを横に置いて、少し勇気を出して下の名前で呼んでみる。

彩香「うん、聖菜ちゃん?でいいかな?今はね、今度なに作ろうかなぁって見てたの、これ」
そう言いながら少し顔色を窺ってみる。

聖菜「わあ!パンだー!彩香ちゃんパン作れるの?」

彩香「うん」

聖菜「すごい!!…ねぇ、今度食べたいっていったら作ってきてくれたりする?」

彩香「え!?私が作ったやつ?家族以外に食べてもらったことないから不安だなぁ」
予想外の反応に驚いた私。だけど、少し嬉しくなって今度の休み明けに作って持ってくることにした。
「喜んでくれるかな。」

聖菜:クラス替えの春、お互いに一人同士でいた私たちはこうして少し仲良くなった。

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ある日の昼休み…(日が変わったのがわかりやすいBGM)

彩香「聖菜ちゃん、これ、この間食べたいっていってたから」

聖菜「うわぁ!!パンだ!本当に作ってきてくれたの!!」
彩香ちゃんの優しさに感動しながらパンを食べいると、

「なにそれー、パン?」「もしかして手作り?」「食べたい食べたい!」
クラスの女の子達が一斉に私たちに気づいて話しかけてきてくれた。

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チャイム(夕暮れ)
聖菜:その日の帰り道、私達はいつもの川沿いの土手を話ながら帰っている。

聖菜「パン、すごく人気だったね!」

彩香「うん、なんか今日だけ人気者になった気分だったよ」

聖菜「今日だけって、、!でも本当に美味しかったなぁ」

彩香「本当に?私、ずっと一人でパン焼いて、家族にしか食べてきてもらってなかったから、そんなに美味しくなかったらどうしようって。」

聖菜「えー、ネガティブすぎだよ~」

彩香「あ、ごめん、つい。」

聖菜「でもその気持ち私もわかるなぁ、ついつい悪い方向にばかり考えちゃって。実は彩香ちゃんに話しかけるのもすごく勇気だしたんだよ、変な人だと思われたらどうしようーとか考えながら。」

彩香「そうだったのー!?でも、私も急にパン作ってるって言ったら変な人だとか、暗いとか思われたらどうしようかなって考えてた」

聖菜「えー!?なんか私たちってネガティブに考えすぎだね」

彩香「ね。…私さ、実は変わりたいって思ってたんだ。」

聖菜「なにに?」

彩香「…陽キャに、、!」

聖菜「…え…私も。ネガティブ卒業しようっ思ってた!」
私達ははじめてお互いの本音を聞いた気がして少し恥ずかしがりながら笑い合った。

彩香「あー!陽キャになりたーい!」

聖菜「なにそれー」

彩香「いいからいいから、ちょっと一緒に叫んでみようよ」

聖菜 彩香ちゃんに誘われて私達は夕暮れの川の向こうに向かって叫んでみる。

二人「陽キャに、なりたーーーーい!!」

聖菜 声は川の反対側まで届いていきそうな勢いで、心の中のもやもやまで運んでいってくれた気がした。

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聖菜:本音を話せた日から、私達はお互いのことさやりん、せいちゃんと呼びこんなことを始めたのだった。

彩香「ねぇ、せいちゃん、陽キャになりたいって話だけど、陽キャの人を調査してみるのはどう?」

聖菜「え、さやりん、私も同じこと思ってた!それじゃあそれぞれが陽キャだなって思う人たちのこと観察してみる?」

彩香「うん、なんか申し訳ない気もするけど…楽しそう!!やってみよう」

それから私達はそれぞれが思う陽キャだと思う人を観察して、気づいたことを報告しあった。

彩香「はい!私が調査したところによると、陽キャの子はまず、いつでも明るい、誰にでも優しい、周りのことをよく見ていてすぐフォローしてくれる、ということがわかりました!」

聖菜「ふむふむ。私が調査したところによると、まず何か嫌なことがあってもすぐ笑い話にして前に進む、人のことを斜めにみることをせず、素直に接していて優しい、ということがわかりました!」

二人「うーーん。。」

彩香「なかなかハードルが高いですねぇ」

聖菜「ねぇ。でもさやりんの優しさって素直な感じがして私すごく好きだよ!」

彩香「そうかなぁ〜、でもせいちゃんだって周りのことよく見ている気がするよ、私にだってすぐに話しかけてくれたし。」

聖菜「それは勇気をだして話しかけたんだもんー、
普段は見ているだけ。」

彩香「でもそうやって、少しずつなんじゃないかなぁ。少しずつを積み重ねて、今の私たちがあるんだとしたら勇気を出して行動したのも自分だし、これからどう過ごすかも自分自身、みたいな。」

聖菜「なんか、さやりんといたらもう少し明るくなれる気がしてきた!」

彩香「えー、本当ー?」

聖菜「うん、まずは素直に色々言ってみることにする!」

彩香「素直に、って実は私になんか言いたいことあるの?」

聖菜「うん…今度またパン作ってきて!」

二人は笑顔で話している。その明るさがより多くの人に伝わりますように。

おしまい

裏話

冒頭で話した通り最近の私はなかなか筆が進まずに自分でもなんだかなあとやるせない思いを抱えていました。
今回は年度の変わり目、そして最近私自身ももっと明るく過ごしたいと思っていたからこそ、「陽キャになりたい」という今の気持ちを素直に書いてみることにしました。


いくつになっても人付き合いはあまり得意にはならない…
だけどあの日、あの時勇気を出して一歩踏み出したことが今の私を作っている。逆も同じでこれからに繋げられるのも自分自身。


無理はしすぎることはなく、いつもそんなことを胸の片隅に置いて生きていきたいといういつか感じた思いを思い出せてよかったなあ。



新チーム公演楽しみだ!
私達向井地チームAは5月11日です!!

それでは。